代表質問・一般質問

令和5年3月定例会

押田 大祐おしだ だいすけ

質問日 令和5年3月7日(火)
区分 一般質問
一問一答
  • 受動喫煙防止対策並びに、 愛煙家のためへの施策について

令和5年3月定例会 本会議 一般質問(押田議員)

受動喫煙防止対策並びに、 愛煙家のためへの施策について

押田 大祐

2020年4月1日より、健康増進法の一部を改正する法律が全面施行された。それ以来、喫煙禁止の場所がどんどん増え、喫煙スペースも減り、たばこを吸う方は不便になっている。
しかし、たばこ税は年間2兆円を超える国と地方の貴重な財源である。
 喫煙は、ある意味、行政の財源としては十二分に貢献していると言える。富山市の令和3年度たばこ税歳入決算額は、26億8,700万円となっている。
国たばこ税、地方たばこ税は目的税ではなく、所得税と同様一般財源となるため、恐らく小・中学校の教育施設や福祉関係、災害対策、道路の整備、下水道整備など、様々な用途の財源に充てられている。
令和5年度市税等の一般財源案では、市たばこ税が令和4年度予算額の23億7,800万円から26億1,300万円と、2億3,500万円、9.9%も増額しているが、理由について問う。

財務部長

たばこ税は、食料品等のような生活必需品とは異なる特殊な嗜好品として、国及び地方で課税されており、そのうち市町村たばこ税は、その使途が特定されない普通税として貴重な一般財源の1つとなっている。
市たばこ税の令和4年度収入見込みが、令和3年10月の税率引上げの影響等により当初予算を上回っていることや、新型コロナウイルス感染症による行動制限が行われないこと等を考慮し、令和5年度当初予算は、令和4年度当初予算比9.9%増の26億1,000万円余りとしている。

押田 大祐

たばこ税は目的税ではないが、かつてガソリン税はその収入が道路建設に運用されていたように、屋根のある屋外の喫煙所の建設や分煙施設の補助のため、その一部でも優先して計画的に予算化すべきだとの声もある。
 しかし、本市は、独自に分煙環境整備に対する補助制度は考えていない。
 受動喫煙防止を進めるには、分煙をしてたばこを吸える場所を増やすことによって成り立つ。
 富山市では、公共的な喫煙所・喫煙場所をどの程度設置しており、どの程度把握しているのか?

福祉保健部長

健康増進法では、喫煙所や喫煙場所を設置する際には、その施設の管理権限者の判断で設置することとされている。
しかし、特定屋外喫煙場所や喫煙専用室の設置は、いずれも市への届出等の義務がないことから、喫煙所や喫煙場所の設置状況は把握していない。
 市の施設を対象に受動喫煙対策の対応状況を調査したところ、本庁舎や富山国際会議場など29の施設に特定屋外喫煙場所または喫煙専用室の喫煙場所を設置している。

押田 大祐

富山市では、選ばれるまちを目指し、戦略的な観光振興に官民一体となって取り組む富山市観光戦略プランを策定している。
金沢市では、交流拠点都市金沢を目指して、金沢市観光戦略プラン2016を策定して、観光客やインバウンドなどに対応している。
金沢21世紀美術館は敷地内では禁煙だが、美術館の外の広坂口付近に喫煙コーナーが設置されている。
 いしかわ総合スポーツセンターが屋内に喫煙室を2か所設けているほか、県立武道館や陸上競技場などでは、受動喫煙が生じないように、屋外の人の往来が少ない場所に喫煙所を設けている。
富山市、金沢市と、同様な観光戦略プランを持つ両市の喫煙施設の数があまりにも違っている。
 富山市と金沢市の喫煙所の設置数の違いをどう捉えているのか。

商工労働部長

観光客にとって、旅先などで喫煙する場所を探すことには、苦労が伴うものと推察する。
 喫煙場所の多くは、飲食店などの喫煙専用室や店舗の屋外喫煙所、喫煙が認められているバーやスナックなどであるため、金沢市のように駅から繁華街にかけ飲食店などが集積している市街地では、喫煙場所の数が多くなる傾向にあると考えられるので、富山市は金沢市より設置数が少ないと推測する。

押田 大祐

今や喫煙所は単なるスペースではなく、進化している。
富山市でも今後、常設する喫煙スペースやイベントなどで一時的に設置する簡易的な喫煙スペースにも、多様な機能を持たせて設けることも重要ではないか。
 分煙の推進や受動喫煙防止の観点から、嫌煙者と愛煙家が共に両立するよう、市の施策を柔軟に検討する必要があると思うが、見解を伺う。

福祉保健部長

令和2年4月に全面施行された改正健康増進法は、望まない受動喫煙の防止を図る観点から、多くの人が利用する施設等について、その区分に応じて、当該施設等の一定の場所を除き喫煙を禁止するとともに、施設の管理権限者が講ずるべき措置等を定めることを趣旨としている。
 第一種施設での特定屋外喫煙場所や第二種施設での喫煙専用室等の措置については、市の裁量で柔軟に検討できるものではなく、法律に基づき、施設の管理権限者が施設の使用状況などを鑑みて判断する。
喫煙者と非喫煙者の双方が適切に施設を利用できるよう、施設の管理権限者に対する禁煙や分煙の講ずるべき措置等の周知や啓発に努めてまいりたい。

押田 大祐

富山駅北の親水広場やブールバール広場などに、災害や観光など公共に役立つ喫煙所の設置に対する調査・研究を進めてはどうか。

建設部長

親水広場やブールバール広場については、とやま都市MIRAI計画の事業として、富山駅と富岩運河環水公園を結ぶ駅北地区の骨格をなす道路であるとともに、市民、県民の憩いと交流、にぎわいの場として平成12年頃に完成した施設である。
 現在、両広場とも整備から20年余りが経過し、施設全体の老朽化が著しいことから、路面電車の南北接続を契機に、駅北地区のさらなる魅力向上、にぎわいづくりなどを目的に再整備を進めているところである。
両広場への喫煙所の設置については、再整備設計の際に広場利用者や周辺施設の関係者を対象に調査を行ったところ、喫煙所のニーズがなかったことや、これまで多くのイベントが開催されている中で、たばこの吸い殻など喫煙が原因となるトラブルも特に見受けられないことから、考えていない。
しかしながら、議員お尋ねの防災や観光などに役立つ喫煙所を市が管理する公共スペースへ設置することについては、関係部局と連携し、他都市の事例も参考としながら調査・研究したいと考えている。