令和5年9月定例会 本会議 一般質問(藤田議員)
地域農業経営基盤強化促進計画(地域計画)について
藤田 克樹
今年の豪雨により、市内の多くの農業施設や農地が被害を受けました。地元の中山間地の農家からは、後継者がいないため被害を受けた農地は修復しないという話も聞かれます。代々受け継がれた農地をどう守り続けるかという重い決断が迫られています。持続可能な農業を実現するためには、皆さんと一緒に考え、行動することが必要です。4月に改正された農業経営基盤強化促進法(改正基盤法)と地域農業経営基盤強化促進計画(地域計画)について、本市の取り組みを伺います。改正基盤法に基づく地域計画の策定には膨大な作業が必要であり、農業委員会のマンパワーが足りるか懸念していますが、本市全体で取り組む必要があります。改正基盤法に基づき、地域計画の策定には農業委員会、農地中間管理機構、農業協同組合、土地改良区などの関係機関の意見を反映する必要があります。本市の地域計画の策定に向けて設立された富山市農業・農村地域計画策定協議会の意図について伺います。
農林水産部長
4月の農業経営基盤強化促進法の改正に伴い、市町村は令和7年3月末までに、地域の話し合いにより、地域を担う農業者の確保や地域農業の在り方を記載した地域農業経営基盤強化促進計画、地域計画を策定し公告することが求められています。地域計画の策定に係る基本方針や農業者や関係機関の役割、全体スケジュールについて検討及び意見聴取を行い、共通認識を持ちながら地域計画策定に係る進捗管理を行うため、富山市農業・農村地域計画策定協議会を設置しました。8月9日に第1回目の策定協議会を開催しました。
藤田 克樹
本市が中心となって地域計画を作成していく方針を定めることが必要です。地域計画の課題は、新規就農者の育成、優良な農地の保護、農地の集積です。これらの課題に対する農業・農地利用についての意向調査が行われ、10年後の農業の担い手を明確にするためには、100%の回収率が必要です。改正基盤法に基づき、目標地図と地域計画を策定するための支援体制について伺います。
農林水産部長
地域計画は、地域における将来の農地利用や農業の在り方に加え、中心となる経営体、農地の集積・集約目標を定めます。本市では38地区において人・農地プランが作成されており、その枠組みを活用し、地域の協議の場を設けて農地所有者と地域農業の担い手との意向調整を行いながら各地区の地域計画を作成します。
藤田 克樹
地域計画の策定には、幾つかのモデルケースを作成し、問題を解決していくアプローチが有効です。目標地図の作成についてどのような分担で進めていくのか伺います。
農林水産部長
目標地図は地域計画の目標年である10年後における農地の耕作者や地域農業の在り方を地図に示すもので、農業委員会が素案を作成し、市が地域計画として公告縦覧等の手続きを行います。地域の協議の場において、農地所有者、地域農業の担い手、農業委員、農協、土地改良区などの関係者が話し合いを重ね、農業委員会が作成する目標地図素案の精度を高めます。
藤田 克樹
地域によっては10年後の目標地図を策定できないケースも考えられます。地域計画を策定できない地区に対してのペナルティーや不利な影響はありますか?
農林水産部長
国では地域計画と連携する補助事業等を示しており、地域計画が策定されない場合には、事業が採択されない可能性があります。本市では全38地区において地域計画の策定を促し、農業者に不利益が生じないよう努めます。将来の耕作者を特定することが困難な場合は、調整中として位置づけることも可能です。
藤田 克樹
中山間地域では今のうちに別の対策を考える必要があります。構造改革特区の事業の申請に取り組むことについて見解を伺います。
藤井市長
構造改革特区を活用する際は、市が特区を活用する区域を限定し、国に申請します。一般企業が特区で農地を取得する条件として、地域計画の担い手として位置づけられること、市が農用地を買い戻すための予算を確保しておくことが求められます。特区の活用については、地域や企業等からのニーズや他都市の動向を注意しながら、慎重に調査・研究を進めていきます。農林水産部が中心となって進める地域計画は、本市における将来の農業・農村の在り方の根幹となる計画であり、関係機関との連携の下、地域の声を十分に計画に反映させながら進めます。
藤田 克樹
地域計画の策定にあたり、県議会時代に富山県中山間地域における持続可能な地域社会の形成に関する条例の制定を牽引された藤井市長のリーダーシップが不可欠です。そのリーダーシップの下、構造改革特区の事業の申請に取り組んではどうかと考えますが、見解を伺います。
藤井市長
国において9月1日に構造改革特区を活用することで一般企業が農地を取得することができる構造改革特別区域法の改正法が施行されました。構造改革特区を活用する際は、市が特区を活用する区域を限定し、国に申請する必要があります。特区の活用については、地域や企業等からのニーズや他都市の動向にも注意しながら、慎重に調査・研究を進めていきます。農林水産部が中心となって進めている地域計画は本市における将来の農業・農村の在り方の根幹となる計画であり、限られた期間の中で関係機関との連携を図り、地域の皆さんの声を十分に計画に反映させながら進めたいと考えています。
藤田 克樹
地域計画の策定には、農地の集積や効率化、生産コストの削減など、さまざまな課題があります。これらの課題を解決するためには、農業委員会、農地中間管理機構、農業協同組合、土地改良区などの関係機関が連携し、地域農業の将来を見据えた計画を策定することが重要です。具体的な支援策や取り組みについて詳しく教えてください。
農林水産部長
地域計画の策定には、農業委員会が中心となり、地域の協議の場を設けて農地所有者や地域農業の担い手と意向調整を行います。農地の集積や効率化、生産コストの削減に向けた取り組みとして、農地中間管理機構を通じた農地集積支援や、農業協同組合による技術指導、土地改良区による農業用施設の整備支援などを実施します。また、地域農業の将来像を描くための意向調査を実施し、収集したデータを基に地域計画を策定します。
藤田 克樹
地域計画の策定に向けて、農業委員会や関係機関との連携が重要です。具体的な協議の進め方や計画の内容について、さらに詳しく教えてください。
農林水産部長
地域計画の策定に向けて、各地区での協議の場を設け、農地所有者や地域農業の担い手、農業委員、農協、土地改良区などの関係者が集まり、地域農業の将来像について話し合います。協議の進め方としては、まず地域の現状や課題を共有し、次に目標地図の作成に向けた具体的な取り組みや支援策を検討します。計画の内容には、地域の特性やニーズに応じた農地の集積・集約目標、農業用施設の整備計画、新規就農者の育成支援策などが含まれます。これらの協議を通じて、地域計画の精度を高め、地域の農業が持続可能な形で発展するよう努めます。