代表質問・一般質問

令和5年9月定例会

泉 英之いずみ ひでゆき

質問日 令和5年9月8日(金)
区分 一般質問
一問一答
  • 土地利用の制限と促進について

令和5年9月定例会 本会議 一般質問(泉議員)

土地利用の制限と促進について

泉 英之

亀谷温泉の遊休地を、裁判所の競売で土地を取得した建設業者がドッグラン施設に再生させるとして、敷地内に残る8階建ての廃墟ビルの取壊しに着手したものの、着手から丸3年を経て工事が中断し放置されています。
当施設は昭和50年代に建設された鉄筋コンクリート造の建物で、アスベスト使用の可能性が高いが、処理されず取壊しが行われ、重機の足場を高くする目的か、盛土材として不良土砂を大量に搬入し、土砂に埋もれた古畳も確認され、ミサイル攻撃を受けたように壁が破壊された状態で、景観的にも大変見苦しく、敷地の直下には水力発電所が稼働しており、取壊し後に土砂により土砂流出の事故さえ懸念されます。
本件は個別事案で、当局の皆様においては一般論として回答いただきたいと思いますが、廃棄物処理法で不法投棄とはどのような行為をいうのか、その種類について答弁を求めます。

環境部長

廃棄物の処理及び清掃に関する法律第16条は、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」と定められており、一般的に不法投棄とは、この規定に反して行われた廃棄物の投棄をいう。
廃棄物処理法において、その種類については明示されていない。

泉 英之

不法投棄した場合、罰則はどのようなものか、罰則が適用されると思われる事案に行政側はどのような対応が行えるのか見解を求めます。

環境部長

廃棄物の不法投棄を行った者に対して、廃棄物処理法に基づき、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、または併せて科せられる、法人の従業者等が業務に関して行った場合は、法人に対しても3億円以下の罰金が科せられる。

泉 英之

アスベスト法改正により、不法投棄と同様に、本法律の違反行為に関する罰則について答弁を求めます。

環境部長

大気汚染防止法においては、特定粉じん排出等作業の実施の届出を怠った場合は、工事発注者に3か月以下の懲役または30万円以下の罰金、2つに、特定粉じん排出等作業実施届出書に記載された計画が作業基準等に適合していない場合は、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金、3つに、作業に必要な措置や方法に違反があった場合は、3か月以下の懲役または30万円以下の罰金などが罰則として定められている。

泉 英之

富山市においては、近年、中山間地域の耕作放棄地が急速に拡大し、土地を安価に取得できる環境にあることから、民間工事や災害で発生した土砂置場として安易に放置される懸念も大きいため、昨今の異常気象や線状降水帯の常態化により2次被害を引き起こしかねないので、法の施行を受けて富山市としてどのような準備を考えているのか、今後の取組について見解を求めます。

建設部長

盛土規制法の施行を受け、規制区域の指定に向けた基礎調査を行い、市街地や集落など人家が存在するエリアを宅地造成等工事規制区域として、市街地や集落からは離れているが、人家に危害を及ぼす可能性のあるエリアを特定盛土等規制区域として、規制区域の指定後、区域内で行われる新たな盛土は許可や届出の対象となり、区域内の既存の盛土も含め、安全性に問題が確認された際には、土地所有者に改善命令を行う。改善命令に従わず、盛土による災害の危険性が高い場合には、所定の手続を経て行政代執行を実施する。盛土規制法は都市計画法や森林法、農地法など様々な法律や条例が関連していて、規制区域の指定や運用に当たっては、県や関係部局などと連携を図りながら取り組みたい。

泉 英之

少子・高齢化や高度経済成長時代に建てられた一般住宅も、多くは耐用年数を超えて、富山市内の様々な場所で固定資産税の特例措置に甘え放置されている危険な家屋が急増しているから、これらの関連を踏まえて、行政側からの度重なる指導や勧告に対して有効な措置を講じず、周囲に著しい悪影響を与える空き家について、積極的に特定空家と認定すべきと考えるが市長の見解を求めます。

藤井市長

特定空家等の認定については、建築士による詳細な立入調査に加え、富山市空家等対策推進協議会による有識者の意見を聞くと議論を経て認定を行っている。
特定空家に認定することについては、所有者に対して空き家の状態を改善するよう助言・指導、勧告することにとどまらず、命令に至った際に改善がなければ、行政による代執行の実施も可能であるから、強い公権力の行使につながると考え、認定に様々な観点からの慎重な検討が必要である。
今般の空家法の一部改正においては、緊急時において除却等が必要な特定空家に対して、命令の手続を経ずに代執行が可能となったことから、有事の際の迅速な安全確保に対する責務が課せられた。
一部改正された空家法の施行までの間に、国では特定空家に対する適切な措置を実施するためのガイドラインを改定する予定と聞いたので、ガイドラインや他都市の状況を参考にしながら、本市における特定空家の認定の在り方について検討したい。
特定空家等については、引き続き有識者の意見も聞きながら検討を行い、緊急時の市民の安全確保の面からも、適時適切に認定したい。
空き家については本市における重要課題だと認識。

泉 英之

藤井市長が掲げるスマートシティ構想により、中山間地域へのデジタルトランスフォーメーションによる生活改善の取組が開始され、地域の皆さんはこれまでは違った変化を肌感覚で感じており、藤井市長に対する期待感が芽吹き始めている。
合併後の新富山市においては、農振法や農地法によって非線引き白地地域での開発行為や宅地分譲はできないと誤った認識が住民に定着しているから、地域住民や不動産業者に対して開発は可能なのだという正確な情報提供が必要と考えており、旧大山町が実施してきた強力な施策を藤井市長に求めるが、非線引き白地地域における良好な宅地分譲の促進について市長の見解を求めます。

藤井市長

本市が目指す公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりですが、規制強化ではなく、都心や公共交通沿線の魅力を高め、そこに居住を誘導する誘導的手法を基本に、都心だけではなく、地域ごとに拠点を整備し全市的に推進すること。
本市のコンパクトなまちづくりは、郊外の居住を否定するものでなく、白地地域や市街化調整区域であっても、既存集落の維持や公共交通沿線に居住誘導を図る観点から、農林漁業の調整が図られた区域で、良好な住環境の形成に寄与し、一定の基準を満たす優良な開発は認める。
富山市都市マスタープランにおいては、白地地域においても全ての鉄軌道や運行頻度が高いバス路線の沿線の徒歩圏において、良質な住環境の保全のための地区計画を定めた場合は、公共交通沿線居住推進地区に設定する。
白地地域における良好な宅地分譲については、公共交通沿線居住推進地区内であれば、本市が目指すコンパクトなまちづくりの形成につながると考える。
今後は人口減少や少子・超高齢化が本格化するとともに、増加傾向にあった世帯総数も令和12年頃から減少に転じることが予想されている中で、白地地域において宅地分譲が過度に進むことは、既成市街地の空洞化、あるいは日常生活に必要な都市機能の衰退、ひいては地域の拠点性の低下につながることが懸念される。
今年度から着手した次期都市マスタープランを策定する中で、地域の実情や特性を考慮しながら、本格的な人口減少時代の先にある我が市が目指すべき都市の将来像を見据えて、必要な検討を進めたい。