代表質問・一般質問

令和5年9月定例会

澤田 和秀さわだ かずひで

質問日 令和5年9月13日(水)
区分 一般質問
一問一答
  • 富山市における福祉施設の老朽化による建て替えについて
  • 富山市の観光資源について

令和5年9月定例会 本会議 一般質問(澤田議員)

福祉施設の老朽化による 建て替えについて

澤田 和秀

県内は、昭和50年後半から平成20年頃にかけて、福祉施設の建設ラッシュだった。

鉄筋コンクリート造の建物の耐用年数は47年であり、今後、耐用年数が超過する建物が増え、建て替えは令和15年にピークを迎える。
社会福祉法人の建て替えは補助金と自己資金で行わなければならない。
しかし、平成12年に社会福祉事業法から社会福祉法に変わるまでは、社会福祉施設は措置事業で単年度会計だったため、この年までは繰越金がほぼない状態だった。
法改正後、措置制度から契約制度になり、企業会計に準じた会計制度が導入され、繰越金が持てるようになった。
それから約20年がたち、利用契約制度になり、80人定員の施設を3̃4施設持つ法人であっても、毎年の繰越金は約1,500万円前後で約3億円、1法人1施設では500万円弱で約1億円しか積み上がっていない。さらに、コロナ禍の中で赤字に転落している法人も多数あり、施設の建て替えなどできない。
高齢者の入所施設の老朽化による建て替えに対する補助金制度の現状について問う。

福祉保健部長

富山市地域密着型介護基盤整備事業を実施している。この補助事業は、施設が実施するサービス種別に応じて補助基準単価が定められており、主なものは、地域密着型特別養護老人ホーム及び特定施設入居者生活介護の指定を受ける定員29人以下のケアハウスは、1施設当たり488万円に床数を乗じた額などとなっている。

澤田 和秀

昭和の後期に建てられた、80名定員の特別養護老人ホームを建て替える場合、最低でも880坪は必要となる。
現在の特別養護老人ホームの建設坪単価は150万円程度とコロナ禍前の1.5倍となっている。概算で総工費は約13億円、建設補助が約8億円となる。自己資金は最低でも5億円は必要となり、3億円の繰越金があっても全く足りない。
福祉施設は、独立行政法人福祉医療機構から建設資金の融資を受けることができるが、建設補助の3分の1までなので最大2億6千万円となる。
80名定員の施設を3̃4施設持つ法人では、運転資金に年間最低1億5千万円かかる。2億6千万円を借りても3億円の繰越金ではぎりぎりとなる。
この状況から、補助金の増額が必要と考えるが見解を問う。

福祉保健部長

国が毎年度、補助金の交付基準額を見直しており、近年の建築コストの上昇に伴い、その額は引き上げられてきている。
しかし、社会福祉法人全国社会福祉協議会などが国に対して、現状に対応した引上げが実施されていないとして、建築費用の高騰に対する財政支援について要望されていることを伺っている。
本市では、補助金の上乗せは考えていないが、補助基準額の引上げや、安定した施設運営が行えるよう、介護報酬や障害福祉サービス等報酬などの公定価格の引上げについて、国へ働きかけてまいりたい。

澤田 和秀

障害者の入所施設の老朽化による建て替えの補助金制度について問う。

福祉保健部長

国の社会福祉施設等施設整備費国庫補助金を活用している。補助率は補助対象経費の4分の3となっており、補助基準額として、施設が実施する支援の種別や定員規模により補助金額の上限額が定められている。

澤田 和秀

保育所、認定こども園の建て替えに対する補助金について問う。

こども家庭部長

国の就学前教育・保育施設整備交付金を活用し支援している。
補助の対象となる経費と国が定めた補助基準額を比較し、いずれか少ない金額に対して国が2分の1、市が4分の1を負担し、残りは事業者の負担となる。補助基準額は、施設の定員規模に応じて定められている。

澤田 和秀

建設コストの増加により、事業者の負担が認定こども園等でも増えている。
認定こども園や保育園を経営する法人は1法人1施設が多く、繰越金も多くない。自己資金では借入れをしても到底建設できない。
このように、今後建て替えラッシュが続いていく福祉施設は、窮地に立たされている。
合併前は、各市町村で福祉施設建設のための借入金に対し、利子を市町村が補給する制度があったが、今はない。社会福祉法人の経営が立ち行くよう、計画を立てて取り組んでいっていただきたい。
国は国民の意を受けて施策をつくり、国民の意を国に届けるのは地方自治体の役割。

このままでは国の福祉は崩壊する。これを止められるのは地方の声。市長、ぜひ国に積極的に働きかけをお願いしたい。

富山市の観光資源について

澤田 和秀

大沢野地域にはすばらしい観光資源が多数ある。その1つに寺家公園がある。
この公園は、船峅地区出身で京都の開業医、加藤幸次郎が姉倉比売の加護に感謝し、私財を投じて昭和15年に完成した。春の桜、新緑、初夏にかけてはツツジ、秋にはすばらしい紅葉を見ることができる。

公園内と隣接地には、姉倉比売伝説と養蚕の姉倉比売神社、古墳及び戦国時代のとりで跡、富山県指定天然記念物アカガシ樹林、真福親王開創の帝龍寺等が存在する。

これらを見ながら森林浴が楽しめる、約2キロメートルの西国三十三観音巡り拝路も整備されていて、ハイキングコースに最適である。他にも、埋蔵文化財や猿倉城跡などの史跡もあり、猿倉山森林公園には芝生広場、バーベキュー場、キャンプ場等も整備され、多くのイベントが開催されている。
この地域の観光PRについて問う。

商工労働部長

寺家公園は、春の新緑や秋の紅葉の時期に多くの家族連れなどが行楽に訪れており、気軽に豊かな自然を満喫できる場所として富山市観光協会ホームページなどで紹介し、ユーチューブで散策の様子も配信している。
寺家公園は、大沢野地域の魅力ある観光資源の1つであり、季節に合わせた新たな散策動画を掲載するなど、今後も引き続きPRしてまいりたい。

澤田 和秀

現在、駐車場が1か所のみと大幅に不足している。SNSや口コミで、春の桜シーズンや紅葉の時期などは、取付道路や、船峅地区内の県道にも縦列駐車が広がり、交通渋滞を招き、地域の住民は大変苦慮している。
寺家公園の駐車場の増設について見解を問う。

建設部長

既存駐車場の増設は、新たな用地確保や多くの整備費用が必要になり難しい。
しかし、寺家公園は大沢野地域の観光資源の1つであり、来園者の利便性や路上駐車防止の観点からも、駐車場の増設は必要であり、今後、臨時的な駐車スペースも含め、関係機関と協議を行いたい。

澤田 和秀

地元の方々は、春や秋の渋滞のときに、子どもが交通事故に巻き込まれるのではないかと大変心配している。早期に駐車場の整備を求める。