令和4年6月定例会 本会議 一般質問(柞山議員)
豪雪に強いまちづくりについて
柞山 数男
町内会などが設置、管理を行う消雪装置の設置及び更新に対する補助制度がある。本年4月にその要綱が改定した目的と内容について問う。
建設部長
改定の内容は、
1つに、消雪装置の2回目以降の更新も補助対象とした。
2つに、散水管などの消雪施設を更新する場合、敷設延長250メートル以上としていた要件を撤廃した。
3つに、本制度を利用せずに設置された消雪装置についても更新の補助対象とした。
4つに、全体更新計画及び年次更新計画を策定することで複数回に分けた更新を可能とした。
柞山 数男
令和2年及び令和3年の大雪の際に、機械除雪による雪の仮置場がなく苦慮している住宅団地が多く見受けられる。この中には、要綱の新設に係る延長要件250メートルに満たない小規模な住宅団地が多く含まれている。
新設に係る消雪装置の敷設延長250メートル以上という延長要件について緩和すべきと考えるが、見解を問う。
建設部長
消雪装置の補助要件は、施設の更新に係る町内会等のニーズの高まりを受け、適切な維持管理と長寿命化を図るため、見直しを行った。
新設に係る延長要件の緩和は、補助金の交付件数が減少していることから考えていないが、今後とも町内会等のニーズを的確に把握し、より効果的な支援となるよう努める。
柞山 数男
本市が掲げる公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりの継承・深化の観点からも、冬期における公共交通の運行確保は喫緊の課題であり、本市においても市内電車軌道線沿いや、スポット的ではあるがバス路線上の急勾配となっている箇所について、積極的に消雪装置を整備する必要があると考えるが、見解を問う。
建設部長
本市では、インターチェンジや主要な駅及び医療施設などにアクセスし、豪雪時においても円滑な道路交通の確保が必要となる主要な幹線道路において消雪装置を設置することとしており、現在、草島東線、綾田北代線、砂子田上轡田線の3路線で整備を進めている。
それ以外の路線への対応は、路面電車や路線バスなどの公共交通運行路線について、令和3年1月の大雪を踏まえた道路除雪実施計画の見直しにおいて、交通事業者などと緊密に連携するとともに、複数業者による除雪体制を構築し、公共交通の運行を確保することとしている。
また、交差点や勾配が急な地点など局所的な対応が必要な箇所は、凍結防止剤の散布や機械除雪による除雪体制の強化を図り、安全な道路交通を確保する。
まずは3路線における消雪装置の整備を着実に進めたい。消雪装置設置路線の拡充は、今後の道路除雪実施計画の見直しに合わせ検討したい。
柞山 数男
本市では第1次路線が20路線、これは北陸自動車道とか国道41号線とか国道8号線とかです。次いで第2次路線が39路線、第3次路線が39路線を定めている。
災害は大雪だからと待ってはくれない。大雪のときこそ、確保路線をしっかり担保することが重要だと思うが、緊急通行確保路線の消雪装置の整備状況と今後の計画について問う。
建設部長
市道のうち緊急通行確保路線に指定されている路線は45路線、延長は37.6kmであり、そのうち消雪装置が整備されている路線は28路線。延長は16.2kmであり、全体の43%となっている。
現在、消雪装置の整備を進めている緊急通行確保路線は、草島東線と綾田北代線の2路線。事業の着実な進捗を図り、消雪装置が設置されていない路線も、車両の交通量や物流への影響等を考慮し、消雪装置の整備を検討する。
柞山 数男
豪雪に強い富山市をつくるための思いについて問う。
藤井市長
令和3年の1月の豪雪で富山市内は鉄軌道を含め約1週間、主要道路も含めて麻痺した。これは全県そうであったが、そういうことは絶対あってはならない。
特に、大雪はある程度の予想は立つが、短期間にたくさんの雪が降るということは、市民生活や企業、経済活動が麻痺してはいけないという強い思いを持っている。
消雪装置、日頃からの市や周辺市町村との連携、富山県との連携、国土交通省との連携、気象台との連携等々も含めて、市民生活が麻痺しないように今後もしっかりと取り組んでまいりたい。
豪雨災害に強いまちづくりについて
柞山 数男
婦中地域水田貯留推進協議会のこれまでの取組について、実績や効果について問う。
建設部長
婦中地域における水田貯留は、深刻な浸水被害が発生していた坪野川において、県が行う河川改修には長期間を要することから、浸水被害を軽減する当面の対応策として、平成18年度から社会実験として始めた。
その後、平成24年度には自治振興会や耕作者が中心となり水田貯留の普及促進を図る協議会が設立され、坪野川以外で浸水被害が発生している田島川、祖母川などの流域にも実施箇所が拡大されている。
実施面積は、平成24年度には165ha、令和3年度には379haまで拡大し、継続的に実施されている。協力をいただいている耕作者の方々に対し改めて感謝申し上げる。
近年、坪野川沿いでは床下浸水などの被害がほとんど発生していないことから、坪野川河川改修の進捗だけでなく、水田貯留の拡大による効果も一定程度あるものと考えている
柞山 数男
豪雨災害は、新設された防災危機管理部も関与し、流域治水であれば建設部も関与する。いろいろな事象、事情について部局横断的に協議していくものだと思うが、部局横断的な対応について問う。
藤井市長
今後の浸水対策は、指摘のとおり、婦中地域のみにとどまらず、全市的に取り組むべき重要な課題である。ハード整備に重点を置いた現在の富山市浸水対策基本計画を見直し、将来に向けて、流域治水を踏まえたより実践的で効果的な浸水対策を展開するために、今年度から新たな浸水対策基本計画の策定に着手する。
新しい計画の策定に当たり、これまで以上に国、県、市の連携が必要になることから、今年度から2年間の予定で国土交通省富山河川国道事務所へ土木職員を出向させている。
関係機関との連携を深め、流域治水を実現する上で本市が克服すべき課題を共有するとともに、あらゆる関係者が協働して取り組めるような手法について、部局の枠にとらわれることなく幅広く検討を進めることで、豪雨災害に強い安全・安心なまちづくりを実現したい。