令和5年12月定例会 本会議 一般質問 (藤田議員)
市営コミュニティバスについて
藤田 克樹
公共交通機関の沿線地域とその郊外および中山間地域を結ぶ市営コミュニティバスについて質問します。多くの高齢者は、長年愛用してきた自動車の便利さを実感しており、自動車を手放したくないという気持ちが強いですが、運転に不安を感じ始める高齢者も少なくありません。高齢化が進む中で、重要なのは高齢者が公共交通機関を利用したくなるように支援することです。特に高齢者が多く住む地域では、この問題の優先順位は非常に高いと考えます。このような課題に対応するため、八尾コミュニティバスでの社会実験について伺います。
活力都市創造部長
本市では、市営八尾コミュニティバスの利便性向上のため、令和4年8月から令和5年3月までの期間で第1期社会実験を行いました。ルートやダイヤの大幅な見直しを行い、その結果に基づいて第2期社会実験を令和5年4月から行っています。第1期社会実験では7路線の見直しを行い、八尾環状線では旧町と商業施設などを結ぶルートへの変更と30分間隔のパターンダイヤの導入、杉原線では旧町や温浴施設(ゆうゆう館)を結ぶルートへの変更と増便、保内線では商業施設への乗り入れと増便などを実施しました。
藤田 克樹
八尾コミュニティバスの社会実験で注目すべき点は、運行間隔を短くし、スーパーマーケットや公共施設を巡る新しいルートへの変更です。特に環状線、杉原線、保内線の3つの主要路線は人口が比較的多く、車がなければ買物が不便な地域をカバーしています。高齢者が普段コミュニティバスを利用することは、今後の高齢化社会への対応として重要なステップです。社会実験における主要3路線の利用者数について教えてください。
活力都市創造部長
令和元年度は八尾環状線、杉原線、保内線の3路線で月平均1,848人の利用がありましたが、コロナ禍で1,500人台まで減少しました。第1期社会実験期間では月平均1,446人にまで減少しました。しかし、第2期社会実験ではアンケート調査や町内会のヒアリングを基にルートやダイヤの見直しを行い、市広報やホームページ、SNSを活用した周知により利用者が増加しました。令和5年8月には月平均1,840人となり、社会実験開始以来、最高の利用者数を記録しました。今後も利用者のニーズを把握し、ルートやダイヤの見直しを継続して利便性向上に努めます。
藤田 克樹
中山間地域の他のコミュニティバス7路線では人口が少なく、利用者を増やすのが難しい上、燃料費の高騰により運行コストが上がっています。過疎地域では車を運転できない高齢者にとってバス路線は生活の支えです。過疎地域の移動と物流を支援するため、路線バスを使った貨客混載の規制緩和が進んでいます。例えば、八尾コミュニティバスがスーパーマーケットを経由する際、中山間地域の住民が注文した商品を受け取るサービスや宅配便の荷物の配送ができれば、生活が変わらずに送れると考えます。貨客混載の可能性について見解を伺います。
活力都市創造部長
市営コミュニティバスの貨客混載の対象地域は、過疎地域等で既存の貨物運送事業者が貨物運送サービスを維持・確保することが困難な地域に限られます。貨客混載は労働環境の改善やドライバー不足の解消に寄与する方法の一つです。実現した場合には旅客運賃収入に加え貨物運送収入が見込まれ、効率的な配送による温室効果ガスの削減も期待できます。現在、貨物自動車運送事業者と意見交換を行い、貨客混載の可能性を検討しています。運輸局との協議など具体的な検討を進めていきます。
富山市の農業について
藤田 克樹
次に、富山市産コシヒカリについて質問します。富山市の農家がつくったお米で元気に育ってね!キャンペーンは、富山市で栽培されるコシヒカリを活用し、子育て世帯に経済的支援を行い、コメの消費を拡大することを目指しています。今年のコシヒカリは猛暑の影響で二等米比率が上がっていますが、昨年度と遜色ないおいしい新米コシヒカリと引換えができます。このキャンペーンの新米の取扱いや取扱量について教えてください。
農林水産部長
キャンペーンは8月1日から引換券の発送と交換を開始し、令和5年産コシヒカリの新米の取扱いは、富山市農協となのはな農協では9月25日から、あおば農協では10月5日から全面的に新米に切り替わりました。11月末現在で1万6,930袋(10キログラム入り)が引き換えられており、引換え済み総数3万4,675袋の約半数が新米で
藤田 克樹
キャンペーンは順調に進んでいると感じます。子育て世帯からの評価も高いです。このキャンペーンの財源は新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金ですが、次年度も継続できないかと感じます。引換え状況と今後の取組について教えてください。
農林水産部長
11月末現在、発行枚数5万7,583枚のうち3万4,675枚が引き換えられ、引換率は60.2%で順調に進んでいます。今後は市ホームページや公式LINE、広報や新聞広告で周知し、引換え期間終了の令和6年2月末までに多くの方に引き換えてもらえるよう努めます。
藤田 克樹
今年のコシヒカリの一等米比率は猛暑の影響で低下しましたが、中山間地域では一等米比率が高いです。令和5年産コシヒカリの一等米比率が高かった地域とその理由について教えてください。
農林水産部長
令和5年産コシヒカリの一等米比率は市内全体で25.8%と低いですが、中山間地域では高く、山田地域では85.5%、八尾地域の黒瀬谷地区、卯花地区、野積地区、仁歩地区の4地区では80%以上でした。理由としては、昼間の気温が平野部より低いこと、昼夜の寒暖差があること、冷たい水が豊富であることが挙げられます。
藤田 克樹
中山間地域の特別栽培米の品質は高く、高い付加価値がついています。特別栽培米の作付け拡大やブランド化を進めることについて見解を伺います。
農林水産部長
特別栽培米の作付け拡大やブランド化は、付加価値を高めたコシヒカリの販売先やPRを農協と支援策を検討していきます。インターネット販売の拡大も視野に入れています。
藤田 克樹
特別栽培米のPR活動については、観光客やビジネスマン向けの朝食で提供することが効果的です。南魚沼市の特別なコシヒカリの事例を参考に、富山市産コシヒカリのPR活動を推進すべきです。市内のホテル、旅館、食堂、レストランでの使用を支援し、「朝食日本一とやま」を目指すことについて見解を伺います。
農林水産部長
今回のキャンペーンで市内産コシヒカリの美味しさが広まったとの報告を受けています。藤田の提案を参考にし、富山市産コシヒカリのPRを検討します。