代表質問・一般質問

令和4年12月定例会

泉 英之いずみ ひでゆき

質問日 令和4年12月6日(火)
区分 一般質問
一問一答
  • 不登校特例校と 小規模特認校について
  • 耕作放棄地と太陽光発電について

令和4年12月定例会 本会議 一般質問 (泉議員)

不登校特例校と 小規模特認校について

泉 英之

富山市の総合教育会議が本年11月2日に開かれ、市は不登校の児童・生徒のための特例校の設置を今後検討する方針を示されました。その3日前の10月31日に我々会派自民党は、東京都八王子市の不登校特例校、高尾山学園に視察に行ってきました。
児童・生徒合わせて100名のところ、臨時教員も含めるとほぼ同数の教職員数にて、年間予算5,800万円という市独自の歳出に対し、黒沢校長の「子どもたちが不登校のまま成人して保護世帯となり扶助費の受給者となるのか、更生して社会人となり、納税者として世の中に還元できるのかの人的投資予算と認識している」という言葉がとりわけ印象に残っています。
令和4年現在、不登校特例校は21校設置され、うち19校は中学校、義務教育学校である高尾山学園を含め小学校は2校だけで、学校選択制の中で地方自治体の裁量に委ねる比較的自由度の高い制度だと理解しています。
現在、富山市の小規模特認校は2校存在していますが、まずは法律的な観点より、不登校特例校と小規模特認校との共生が可能なのか、答弁を求めます。

教育委員会事務局長

不登校特例校は、学校教育法施行規則第56条の規定に基づき、不登校児童・生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成して教育を実施する必要があると文部科学大臣が認める場合に、教育課程の基準によらず、特別の教育課程を編成して教育を実施する学校であり、児童・生徒が入学を希望した際には、入学対象となるのか否かについての判断は、当該学校またはその管理機関が行うものと定められている。
一方、小規模特認校は、平成9年1月27日付通学区域制度の弾力的運用についての文部省通知に基づき、少子化等に伴い児童数が著しく減少する小学校において、小規模校の特性を生かした特色ある教育活動を通常の教育課程により実践する学校であり、希望がある場合は通学区域外からの入学を認めることが可能。
不登校特例校と小規模特認校は教育課程の編成や受入れ対象となる児童・生徒が異なるため、1つには、特別の教育課程と通常の教育課程を1つの学校や学級で同時に展開することは不可能であること、2つには、教員は通常の学校と同様に、各学年の児童・生徒数により編制される学級数に応じて配置されることから、子どもたちに対する十分な支援が行えないことが想定されること、3つには、通常の学校生活や教育課程に困難を感じている子どもたちが、通常の学校生活を送る子どもたちと時間や空間を共有することに大きな困難が生じること等から、両校の共生は難しいものと考えている。

泉 英之

現在、富山市の小学校グラウンドには13校に相撲の土俵が設置してあり、呉羽小学校や堀川小学校には重厚な屋根がついています。また、中学校では呉羽中学校の1校だけですが、校舎内に土俵が存在しています。
呉羽小学校の土俵は、調べたところ、明治時代に活躍した横綱、太刀山関に由来するものと伺っています。朝乃山関はこの土俵がなかったら相撲はやっていなかったともインタビューで答えております。
加えて、大山地域の小見小学校のグラウンドには、鉄骨で組み上げたジャンプ台があります。校庭にジャンプ台を有している小学校は、全国に白馬村立白馬北小学校と小見小学校の2校だけで、40年ほど前に白馬の専門技術士の設計により、地元自治会の募金にて建設され、それ以降、富山県ジャンプ陣の大半がこのジャンプ台から育ち、オリンピックに出場を果たしています。
地域の特性と住民の願いが込められたこれらの施設があったからこそ、富山市が誇れる著名なるアスリートが活躍できていることは、誰しもが認めるところだと思っておりますことから、地域住民やPTAなどの団体から寄贈され、現在は富山市教育委員会の所管となっている附帯施設の改修に対して見解を求めます。

教育委員会事務局長

本市の一部の小・中学校では、地域や保護者の方からの寄附により、今ほど議員からも紹介のありました、相撲場やスキージャンプ台といった地域の特色がある施設を市教育委員会が管理していることがある。
寄附による施設でも市の教育財産には変わりなく、その施設を管理してきている以上、児童・生徒への危険が生じないかなどの緊急性、施設の目的や必要性、費用対効果などを総合的に勘案し、状況に応じて適切に対応すべきものである。

藤井市長

例えば相撲の土俵や、小見小学校のジャンプ台は、その地域の子どもたちにとってはオンリーワンというか、非常に特色のある教育の一環だと考える。
また、そのことによって体が鍛えられ、トップアスリートが育つという、利点ももちろんありますけれども、その小学校に対する特徴というか愛情というか、自分もその小学校で育ったという誇りみたいなものが、幾つになっても残っていくという意味においても、非常に大事な施設と考えている。
管理は教育委員会ですが、その必要性等々も十分認識しておりますので、しっかりと教育委員会の意見も聞きながら、市長部局としても協力できるところがあれば、しっかりとサポートしていきたい。

泉 英之

富山市内でも太陽光発電のパネルをよく見かけるようになってきましたが、最近では、太陽光発電施設の売電から得られた利益の何割かを土地所有者に支払い、建設から維持管理までを一貫して担う企業も現れるようになってきています。
市街化区域は問題ないと思われますが、市街化調整区域や中山間地の農地において太陽光パネルを設置する際、農振除外や農地転用はどのような条件の場合に可能なのか、答弁を求めます。

農林水産部長

農地において太陽光パネルを設置する際は、農地転用の許可基準に合致すること、農業振興地域の農用地区域内の農地である場合には農振除外の要件を満たす必要がある。
農地転用は農地法に規定されており、立地基準で定める農地区分が第3種農地と呼ばれる、鉄道の駅、高速道路の出入口から300メートル以内にある農地や市街地、または市街化の傾向が著しい区域内にある農地は原則許可となる。
また、第2種農地と呼ばれる、市街化の傾向が著しい区域に隣接しており市街化が見込まれる農地、または、一団の農地の広がりが10ヘクタール未満であり、過去に土地改良事業等の公共投資が未実施である農地は、周辺の非農地、第3種農地での代替が困難な場合に限り許可できる。
このように、農地区分が第2種もしくは第3種農地である場合は農地転用が可能となりますが、その農地が農用地区域内にある場合には農振除外が必要となる。
農振除外は、農業振興地域の整備に関する法律、いわゆる農振法に規定されており、1つに、農用地以外の土地とすることが必要かつ適当で、農用地区域以外に代替すべき土地がないこと、2つに、農業上の効率的かつ総合的な利用に支障を及ぼすおそれがないこと、3つに、農業経営を営む者に対する農地の利用集積に支障を及ぼすおそれがないこと、4つに、土地改良施設の機能に支障を及ぼすおそれがないこと、5つに、農業基盤整備事業完了後8年を経過していることの5つの要件を全て満たす場合に限り、農振除外が可能となる。