令和5年3月定例会 本会議 一般質問(江西議員)
市営住宅の共益費について
江西 照康
電気料金の値上げがすさまじいことになろうとしている。北陸電力は規制料金の値上げ幅を平均45%超で本年4月に実施できるよう申請したと発表している。
いろいろなものが値上がりしているが、電気料金が幅広い層に影響を与えるのではないかと考える。
地元の市営住宅を取りまとめる町内会長より、現在、町内会費に併せて電気料金等の支払いのため共益費を集金しているが、値上げに合わせて共益費を値上げしなければならないことになった。現在満室ではないため、値上げの割当てが大変厳しいということだ。
最初よく意味が分からなかった。通常、共益費は大家が集金するものだが、市営住宅の住人で結成する町内会においてこの共益費は集金されている。この共益費の内容について説明を求める。
建設部長
共益費とは、集合住宅の入居者が共同で利用する廊下や階段、外構の照明または給水ポンプやエレベーター動力の電気料金、共用水道の上下水道料金のほか、敷地の環境美化に係る費用や集会場、ごみ集積場の管理費用などだ。
民間の集合住宅では、貸主が家賃と共に共益費を集金し、共用施設の管理を行うことが一般的だが、公営住宅では、入居者が自ら共用施設の維持管理や共益費の集金などを行うことで費用の節約につながり、共益費が抑えられることから、自主的に管理することが一般的となっており、本市においても、団地や住棟ごとの自治組織単位で集金や管理が行われてきた。
本年2月に各団地の共益費について実態調査を行ったところ、団地や住棟によって共用の施設や設備の内容が異なるが、共益費の金額は1世帯当たり毎月数百円から1,000円ほどであり、町内会費などと併せて集金されている場合が多いようだ。
江西 照康
数百円から1,000円の共益費だということだが、私の地元にある布目団地は1,000円集めている。市役所が設置した設備をそのまま使う形の電気料金を支払っているということだ。
富山市の街灯は概ねLED化された。しかし、布目団地の外灯は、現在も電力を大量に消費する水銀灯のままで、夜には水銀灯が煌々と灯っている。
この市営住宅そのものの役割、福祉の一面もあると思う。そういった役割から考えれば、ちょっとあべこべなのではないかと考える。
市営住宅の共同施設である電気設備のLED化の状況はどのようになっているのか尋ねする。
建設部長
市営住宅の設備に関して共益費の負担を抑える方法としては、共用部分の廊下や外構の照明をLED化することが有効であると考えられるが、本市の市営住宅においては、現在のところ、共用部分を全面的にLED化した事例は、一部の借上げ市営住宅を除き、平成25年度以降に建て替えを行った月岡団地にとどまる。
その他の団地においては、既存の照明器具が故障した機会などに随時LED照明器具への取替えを行っており、年間数件程度の実績だ。
江西 照康
廊下の蛍光灯だとか、そういったものはまだいいかと思う。電気代を支払うのが大変なので、皆さん申し合わせて、廊下の電灯の一部を消灯されている。エレベーターホールの前にある電気の明かりと街灯の明かりで夜を過ごされると。お客さんが来るときだけ廊下の電気をつけると、そのような対応をされている。
蛍光灯は別として外灯の水銀灯をLED化することは至急に行うべきと考える。
さらにもう1点、その設備を各市営住宅に設置したのは、概ねこの市営住宅が満室になるであろうと想定しているのではないかと思う。入居者が少なくなると、頭割りが当然増えるから大変だ、市営住宅の入居率について尋ねる。
建設部長
本年2月1日現在、低額所得者向け市営住宅の入居戸数は3,027戸、管理戸数4,362戸から老朽化などのため新規入居の募集を停止している323戸を除いた実質的な管理戸数4,039戸に対する入居率は74.9%となっている。
江西 照康
富山市が以前に設置した外灯とか電気料金、市営住宅全戸で見ると、74%の入居者で、いない人の25%が本来負担すべき電気料金も負担しているということだ。
満室でないことは、入居している方にとっては何ら関係がない。日頃、迷惑行為をして人を追い出しているとか、人が増えないように何かしているというわけではなくて、入居率が100%にならなのは、運営側の事情であって、入居している方々にその電気料金を押しつけるということは理不尽でないかと考える。
この2年間、議員として藤井市長とお付き合いして感じるのは、優しさだ。そして、スローガンである「幸せ日本一」幸せの意味は福祉、福祉は幸せとほぼ同義という一面がある。
市営住宅は高齢化を迎えており、そういった中で電気料金の共益費、実は一部払わない方もいるそうだ。こんなことを言うとほかの人も払わなくなったら大変なのだが、例えば市で集金する、もしくは、電気料金を大量消費してしまう外灯については即座にLED化、これは建設部で検討することだと思うのが、国庫の補助とか支出を待っていたらあっという間に1年たってしまう。
実は、この3月に市営住宅の町内が総会を開くのに、予算想定が難しく従来の予算が組めないと聞いている。それを考えれば、本定例会で不用額が出てくるような公衆浴場の予算もあったし、これは部局が違うけれども、そういったものも含めて考える。また、物価高騰対策予算が各種配分されていたが、この市営住宅にはされていないから、それも検討していただく。また、空室分、いない部分のものについては、当面でも、市で負担するとか何らかの対策を至急行ってもらいたい。
藤井市長
本市の市営住宅の入居率が過去5年で84.8%から、74.9%へと著しく低下していることに伴い、1世帯当たりの共益費の負担が増していることに加え──これは議員御指摘のとおりである──近頃の電気料金の急速な値上げによって入居者の負担感が一層増していると認識している。本市としては、こうした市営住宅入居者の共益費の負担増加に対応するため、共用部分の照明設備について、LEDなど、エネルギー効率の高い器具への全面的な更新を検討したいと考える。
入居率の低下などに伴う負担の増加分について助成を行うことや本市が共益費を徴収、管理することなどについては、管理方式の根幹に関わることであり、受益者負担の観点からも今後慎重に検討すべき課題があると考える。
江西 照康
この集金のシステムは、全国的に問題になっているようで、中核市の中でも幾つかの市は市が直接集金する形を取っていることも判明している。市長が言われるように、問題があるということも認識している。
その中で、前向きな答弁として照明のLED化を取り急ぎ行うということだが、電気料負担のために、町内会として住民運動会には参加できなくなるかもしれないという話も聞いている。
今のこの仕組みからすると、市営住宅それぞれの町内会は相当苦心していると思うので、何らかの対策を大至急すべきものだと考える。検討をお願いしたい。
江西 照康
他
・周辺市町村から考える都市計画についての質問
・斎場の整備についての質問