令和5年9月定例会 本会議 一般質問(江西議員)
居宅介護支援サービスについて
江西 照康
団塊の世代は、日本の政治と経済に影響を与えてきた。
この世代が後期高齢者となり、サービスを受ける側に回る2025年問題。
この問題の解決策として、各自治体を保険者とする介護保険法が平成12年に施行され、各市町村は2025年をまず1つ目のゴールとして、9分割した3年ごとを1期とする介護保険事業計画を策定し、2025年問題を抱える9期目に備えることになり、今年は8期目の最終年度となる。
私は6期目で補選を経て市議会議員となり、翌年の決算で福祉保健部の不用額が多いことに疑問を持ち、詳細を聞いたところ、第6期の介護保険事業計画の施設整備が想定どおりに進まなかったことを知った。
来年度より山場である9期目を迎えるが、第8期の介護保険事業計画の進捗状況について、要介護認定者数やサービス利用料は見込みどおりに推移しているか、地域密着型サービスの施設整備計画は計画どおり進捗しているか問う
福祉保健部長
第8期介護保険事業計画の進捗状況について、まず要介護認定者数については、3か年の計画期間を通して計画値を上回って推移している。
その要因としては、65歳以上の高齢者人口が第8期計画の策定時における推計を上回って推移し、要介護認定率も若干計画値を上回って推移してきた。
サービス利用量について、介護給付費全体の執行状況を見ると、令和3年度からの3年間での合計は、計画比は95.9%となっている。第8期の計画期間においては、新型コロナウイルス感染症の影響による事業所の休業や利用者の利用控えもあったが、五類移行後はそのようなこともなくなり、サービス利用量は概ね計画どおり推移している。
地域密着型サービスの施設整備については、整備計画に位置づけた6つのサービスのうち、小規模多機能型居宅介護、認知症高齢者グループホーム、認知症対応型通所介護のサービスについてはほぼ計画どおり整備できる見込み。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、看護小規模多機能型居宅介護、特定施設入居者生活介護は、計画した整備数に達しない見込み。
計画どおり整備できなかった理由としては、サービス提供に必要となる看護師など専門職の確保が難しいとの理由から応募した事業者が少なかったと考える。
江西 照康
介護保険サービスを受けるには、ケアマネジャーのケアプランがないとサービスを受けられない。なので、居宅介護支援事業を行う事業所の数が大切だと考える。
平成30年から令和5年までの居宅介護支援事業所数、居宅介護支援事業所のケアマネジャー数、居宅介護支援サービスの利用者数について問う。
福祉保健部長
居宅介護支援事業所の事業所数については、平成30年は142事業所、令和5年は126事業所。
居宅介護支援事業所のケアマネジャーの人数は、平成30年は400人、令和5年は426人。
居宅介護支援サービスの利用者数については、平成30年は1万594人、令和5年は1万2,451人。
江西 照康
居宅介護支援事業所数が大変減っているが、ケアマネージャー数はそれほど減っていない。これはどういうことかと言うと、集約化すると加算があるので、居宅介護支援事業所が少なくなったが、パートのケアマネージャーや高齢の方でも取りあえず籍を置いて活動している方も増えてきているのだろう。
利用者については、令和5年度になると相当増えてきた。介護保険のサービスを受けるには、ケアマネ―ジャーのケアプランが必要だから、人数が増えれば、それに合わせて更に増えると思う。
この現状のケアマネージャー数で十分と部長は考えるか。居宅介護の支援事業所数も含めて考えを問う。
福祉保健部長
ケアマネジャーの不足によりケアプランが作成できず、要介護者が介護サービスを利用できないという事案は発生していないので、居宅介護支援事業所やケアマネジャーについては、必要な数を確保できていると考える。
しかし、近年、居宅介護支援サービスの利用者数が増加している一方で、ケアマネジャーが担当する1人当たりの利用者数が増え、業務負担が増加していると危惧している。
高齢化の進行による要介護認定者数の増加に加えて、施設サービスから在宅サービスへの転換を推進しており、在宅サービス利用者は増加していくと考える。
一部の居宅介護支援事業所からはケアマネジャーの確保が難しいという話も聞く。介護人材の不足から今後ケアマネジャーの確保が難しくなり、それに伴って居宅介護支援事業所の廃止、休止が増加することも懸念される。
現状の居宅介護支援事業所の事業所数やケアマネジャーの人数では、必要なサービス提供に支障が出てくる懸念があると考えて、今後ともケアマネジャーを含めた介護人材の確保・育成に努めたい。
江西 照康
管理者となる主任ケアマネジャーを確保できないことが、居宅介護支援事業所が廃止となる要因だと考える。居宅介護支援事業所の廃止が、ケアマネジャーの減少にもつながっていく。
管理者の要件の見直しや、市の判断で行える要件適用までの猶予期間の延長が必要と考えるが当局の見解を問う。
福祉保健部長
居宅介護支援事業所の管理者の要件については、平成30年にケアマネジャーから主任ケアマネジャーへと変更されている。
令和2年に若干要件を緩和する見直しが行われ、不測の事態により主任ケアマネジャーを管理者とできなくなった場合には、保険者に今後の確保のための計画書を届け出て、主任ケアマネジャーを管理者とする要件の適用が1年間猶予されること、2つに、その1年の猶予期間の経過後、利用者保護の観点から必要と認められる場合には、保険者の判断により猶予期間を延長できる。
ケアマネジャーに高い専門性が求められているが、主任ケアマネジャーはそのケアマネジャーにケアプラン作成の助言を行うなど、育成や指導を行うことが役割。居宅介護支援事業所の管理者を主任ケアマネジャーとすることで、事業所が効率的に運営され、ケアマネジャーのスキルが向上し、ケアマネジメントの質の向上が期待できると考え、現時点では要件の見直しは必要ないと考える。
市の判断による要件適用までの猶予期間の延長については、現状の事業所数やケアマネジャーの人数では必要なサービス提供に支障が出る懸念があると考え、ケアマネジャーの人数、居宅介護支援事業所についても、日常生活圏域単位では一定程度の数を確保していく必要があると考える。
主任ケアマネジャーの確保に努めたが、延長期間内に主任ケアマネジャーを確保できない事業所には再度の延長を認めるなど、柔軟に対応したい。
江西 照康
藤井市長のモットーは「幸せ日本一とやま」。福祉という言葉を辞書で引けば、幸せである。だから、「福祉日本一とやま」、若干ニュアンスが違うが、福祉も幸せの大事な1つの要素だ。国は財政の事情とか制度の運用の事情で、トップダウンで施策を下ろしてくる。
市長自身も力強い見解を問う
藤井市長
福祉は富山市民というよりも、全ての市民にとって安全・安心の最後のとりで、大事なセーフティーネットである。「幸せ日本一とやま」を標榜する富山市としては、安全・安心が大事であり、最も大事な1つが福祉の充実です。
高齢者の福祉他、障害者、児童福祉、たくさん福祉があるので、充実に努めることによって、「幸せ日本一とやま」を目指していきたい。
江西 照康
他
・富山大空襲と富山市民感謝と誓いのつどいについてに質問
・暑さ指数と屋外運動への対応についてに質問
・オーバード・ホール中ホールでの公演についてに質問