令和3年12月定例会 本会議 一般質問 (押田議員)
富山の臨海観光構想について
押田 大祐
令和2年10月20日、水橋漁港そばに地元の漁師たちが運営する水橋食堂漁夫が開店した。開店以来、富山湾の海の幸を生かした彩り豊かな料理を求め、長い行列ができるほど大勢の人が詰めかけ大盛況となっている。
水橋食堂漁夫の成功は、新鮮な富山の魚を臨海するロケーションで食べたいという市民のニーズ、県内外の観光客のニーズと時代にマッチしている。改めて富山市の臨海観光について整備計画を見直すか、再検討・再構築する必要があると考える。
多くの富山市民は、富山湾の新名所の整備を期待していると思うが、富山市の臨海観光構想はいかなるものか、市長の思い、考えを問う。
藤井市長
本市では、平成23年度に水橋フィッシャリーナを開港した。直売所やレストランなどは整備していなかったが、地元の魚が食べられる水橋食堂漁夫が開店され、盛況であることは、本市が厨房機器などの導入に支援した経緯もあり喜ばしく思っている。
漁港の整備や周辺地域の活性化を推進したい。
水橋地区は大きなポテンシャルを秘めていると考える。
農業の面においては国営圃場整備事業にて、今後、農地の大区画化を進め、農地の集積・集約やニンジンなどの高収益作物の栽培が推進され、さらにスマート農業機器が導入されれば農業者の収益向上が図られ、稼げる農業の実現と若手就農者の育成が実現するものと、大いに期待している。
漁業の面においては、水橋漁港の定置網において、網に入った魚種や数が確認できる『マジックブイ』、定置網の損傷が海中で確認できる『水中ドローン』のスマート水産業機器を導入することで、今後、漁獲量の増加や効率のよい漁業への転換が図られると考える。
教育の面では水橋地区の7つの小中学校を統合する義務教育学校において、統合校の先進モデルとなるような学校づくりを目指している。
数年後には水橋地区は大きな変化を遂げ、農業・漁業などを柱とした本市の優良なモデル地区となり、本市のシティプロモーションと相まって全国から注目され、多くの方々が本市を訪れるものと確信をしている。
今後の水橋地区の在り方については、観光面も含めて様々な角度から総合的にかつ広域的に検討したい。
富山のふるさと納税について
押田 大祐
富山市は現在、2,200億円を超える市債、借金を抱えている。できる限り負債を減らし、将来世代が投資したい事業にお金をかけられるようにするべきだと思う。かといって、そのために増税をしたり、必要な事業を減らしては全く意味がない。新たな財源としてふるさと納税を活かすべきだ。ふるさと納税寄附金額は、当初6千万円予想のところを、年度最終では1億4千万円になる見込みと伺っている。本市のふるさと納税寄附金額の推移とその理由について問う。
財務部長
本市のふるさと納税として受け入れた寄附金額は、平成30年度は1,928万円余り、令和元年度は4,796万円余り、令和2年度は8,118万円余りと増加傾向にあり、本年度は1億4千万円を見込んでいる。返礼品の市内事業者からは本市の特色ある返礼品の提供に協力いただいており、平成30年度では78品目であった返礼品の数が、令和3年度には約230品目まで増え、魅力ある返礼品の充実が寄附金額の増加要因と考える。
押田 大祐
県内他都市と比較すれば少ない。この要因について市ではどのように分析をしているのか問う。
財務部長
県内他都市では、本市より先んじて返礼品を用意し、全国的に知名度が高い海産物など充実したラインナップとなっている。返礼品を掲載し寄附募集を行うポータルサイトを順次追加し、複数のサイトで寄附機会の拡大を図りながら多くの寄附金を確保している。
押田 大祐
本市では平成30年度から返礼品の送付を開始し、現在は返礼品の拡充を進めている段階であることや、利用しているポータルサイト数も他都市より少ないことが、本市の寄附金額が少ない要因であると分析している。ふるさと納税が今後もより成果を伸ばすには、毎年ふるさと納税の傾向を分析し、修正を加え、よりよいものにしていく必要があると思う。本市のふるさと納税のPR方法や広報活動、その対策について問う。
財務部長
本市ふるさと納税のPRや広報については、今後、寄附者にとって魅力的な返礼品をそろえるとともに、順次ポータルサイトを追加し、返礼品をPRする機会を拡大したい。ふるさと納税に関心を持つインターネットユーザー向けに本市サイトを配信するなど、ターゲット層を絞った効果的な広告を実施し、本市へのふるさと納税の周知に努めたい。関東や関西などの県人会や市友会に伺う際は、本市の魅力ある返礼品を紹介するリーフレットを配布し、本市にゆかりのある方への周知も図りたい。
押田 大祐
現在本市のふるさと納税ポータルサイトに掲載されている返礼品には魅力ある返礼品の発掘も重要だ。富山市のふるさと納税の取組には改善の余地、伸び代がある。富山市のここ数年の受領した寄附金額と住民税から控除される寄附金控除額の差と、今後の方針を問う。
財務部長
寄附金額と寄附金控除額との差である減収額は、平成30年分では3億3千万円余り、令和元年分では3億7千万円余り、令和2年分では4億6千万円余りとなっている。市税の増収が見込めない中において、個人市民税から控除される寄附金控除額は本市の貴重な財源の流出であると認識しており、財源の確保という観点からも、ふるさと納税として受け入れる寄附金額を増やす必要があると考える。生産者や関連団体との連携を図り、地場産業の振興や地域経済の活性化につながる返礼品の創出に努めるとともに、地域資源を生かした体験型返礼品の拡充を進め、本市のふるさと納税を全国に発信し、寄附金額の増加を図りたい。
押田 大祐
企業版ふるさと納税は、地域活性化を目的とする自治体の事業に寄附した企業が会計上の損金算入や税額控除を受けられる。この企業版ふるさと納税制度は、いかに企業に対して魅力ある自治体の創意工夫の企画がアピールできるかにかかっている。企業版ふるさと納税制度への本市の取組と今後の拡充についての所見を問う。
企画管理部長
本市では、まちなかでのベンチの新設や既存ベンチの再整備を行う「とほ活」ベンチプロジェクトなど、2つの地域再生計画が企業版ふるさと納税を活用できる事業計画として国から認定を受け、これまでのところ累計1,250万円の寄附金をこれらの計画の推進に役立てている。企業版ふるさと納税の活用を推進するため、市ホームページのトップ画面にバナーを表示し、企業版ふるさと納税制度の概要や頂いた寄附金を活用して取り組む市の施策を掲載するなど、これまでも積極的なPRに努めてきた。首都圏の本市ゆかりの経済界の方々との交流会や、県外に本社機能がある企業の富山支店長の方々との懇話会において、市の先進的な施策を市長が自ら紹介するなど、本市の取組に対する理解や賛同が参加された多くの方から得られるよう鋭意努めてきた。さらに、在京のマスメディアと連携し、首都圏の企業に働きかけ、富山市への企業版ふるさと納税を促す取組を今年度から開始した。市内外を問わず個人や企業、団体の皆様から本市への寄附をいただくには、本市の施策に対して多くの方々から賛同や共感を得られることが何より大切であるから、今後とも、本市ならではの先駆的で実効性の高い事業の推進に努めたい。