代表質問・一般質問

令和6年3月定例会

江西 照康えにし てるやす

質問日 令和6年3月11日(月)
区分 一般質問
一問一答
  • 家庭ごみ有料化検討事業について

令和6年3月定例会 本会議 一般質問(江西議員)

家庭ごみ有料化検討事業について

江西 照康

家庭ごみ有料化に関しては現在多くの市町村で導入されており、環境省もその検討を求めているということは議会内では周知の事実だ。しかし、それぞれの自治体が独自に判断できることについては責任を持って自治体が検討することこそ地方自治であると考える。
ごみ有料化については、既に導入した市町村の関連動画がネットで多く流れている。市民の声のほとんどは嫌だけど仕方がないという声だ。本当に仕方がないのか、グリーンウオッシュ(見せかけの環境配慮)な一面がないのか幾つかお尋ねしていきたいと思う。
富山市ではごみ減量化を進めるためにどのような取組をしてきたのか問う。

環境部長

ごみとして捨てられていたものを資源物として出す風土を市民の皆様と共に醸成してきた。本市では、空き缶の分別回収から、ペットボトル、空き瓶、プラスチック製容器包装と順次対象を拡大するとともに、法とは別に古紙や小型廃家電などを加え、現在では10品目をリサイクルしている。
また、土曜、日曜、祝日に利用できる資源物ステーションを設置し、市民の皆様に利用いただいている。
家族とごみ問題について3R推進スクールを実施するとともに、ごみの減量化及び発生抑制に努めてきた。

江西 照康

様々な取組をしてきた中で、過去の議会答弁を見ても、富山市民は公益性や社会全体の利益について大変理解のある市民性があると認識されている。今までごみ減量化に協力してきた人がたくさんいるが、協力していない人もいる。だからごみの有料化をしようというと、協力してきた人にも負担はかかる。
 環境省が現在出している廃棄物処理技術情報によると、家庭ごみで出てくる1人当たりの生活系ごみの排出量は市町村によってばらつきがある。一番少ないところでは1人当たり300グラム。多いところでは2キログラムを超える所もあり、こんなに数字が違うと、果たして同じ観点から計算された数値なのかどうか疑わしい。有料化を導入した都市の1人1日当たりのごみの減量効果、これにどのような見解を持っているのか問う。

環境部長

全国155市の導入事例では、有料化導入の翌年度については120市で10%以上の家庭ごみが減量しており、導入5年目の年度においては131市となっている。20%以上削減効果があった市は翌年度では58市であったものが、5年目では83市となっており、それぞれ拡大していると報告されている。

江西 照康

内容に異論はないが断片的だ。ごみ有料化の先駆的な地域である北海道は有料化手数料も高いが、ごみの排出量も高止まりしている。
 そもそも、全国的に見て、ごみの排出量そのものが高齢化を機にに少しずつ下がっている、富山市もそのような傾向にある。
だから、そのように証明しようと思ったら都合のよい数字を摘み証明できるが、逆に、違うのではないかという数字も簡単に出てくる。
 日本総合研究所によると、逆効果を生んでいる地域もあると公表しているし、時間がたつと住民が慣れてしまってその効果が消えてしまう自治体もあるとのことである。
何よりも、質量保存の法則だとかエネルギー保存の法則のように、物がどこかでなくなることはないわけだから、減るには理由がいる。富山市は消費支出が全国4位ということだ。消費が多ければごみの量が多いのは当たり前だが、平均よりちょっと上ということは、本当はとても先進的なのもしれない。そういった数値の意味を検証する必要があると思う。
 ごみを有料化してごみが減るという理由の中には、ごみを出さないでため込むことも報告されている。特に、家が大きいところでその傾向がある。これでは、逆に次世代にごみを残すことになる。
ごみの減る理由、何で減っているのかということもしっかりと調べる必要があると思う。
 有料化するとなぜごみが減るのか、部長の見解を問う。

環境部長

国は、これまで家庭ごみ有料化を国全体で取り組むこととして推進され、手引を作成されている。この手引では、その効果として、1つに、有料化になることでその費用負担を自ら軽減しようとする動機づけ、これによって日頃から家庭から出るごみを減らそうとする作用が働くこと、2つには、ごみへの関心が一層高まり、ごみ処理に係るコスト意識やごみの排出抑制、分別の必要性への気づきが促されることが掲げられている。
こうしたことが家庭ごみの削減につながると考える。

江西 照康

今聞いた回答は、導入している市町村が同じことを発表しており新事実はない。有料化したところで結局リバウンドし、有料化手数料を値上げするという例もある。お金を払うことの負担意識頼みだ。
 有料化導入済みの都市でのリバウンド現象についてはどのように捉えているか。

環境部長

有料化を導入している16の中核市においては、導入前の数値に戻ったところはなく、ほとんどの都市で順調に削減がなされたと捉えており、リバウンドは確認されなかった。
今のところリバウンドをした都市については把握していないが、このような事例を把握した場合は、その要因についてしっかりと調査したい。

江西 照康

ネットは偽情報ということなのか。さて、このごみ減量化の必要性の一つとして、富山地区広域圏クリーンセンターの将来について懸念があげられているが、そもそもセンターの更新計画はあるのか。

環境部長

富山地区広域圏事務組合の事務局からは、今のところ具体的な計画はないと聞いている。
 しかし、平成15年3月の運用開始から21年が経過しており、平成25年度以降、既存の施設の処理性能の適正な維持を前提とした長寿命化を図るため、計画的に大規模修繕や設備更新を実施していると聞いている。

江西 照康

クリーンセンターに関しては、21年たっているということだが、それならば十分新しい。更新の計画がないから、実際の必要コスト算定もない。本来それがある程度明らかになっての有料化の理由だ。
 非課税世帯、生活困窮世帯に対して、現金を支給するという施策がある。驚きの施策だが、実際に富山市18万世帯のうちで4万世帯、約4分の1の世帯が非課税世帯だ。
 こういった方にとって厳しい負担増になることに関してはどのようにお考えか、見解を問う。

環境部長

有料化を導入している自治体では、手数料の減免措置として、子育て世帯などで紙おむつやストマ用装具を使用されている世帯、生活保護世帯に対してごみ袋を一定枚数配布するなどの負担軽減措置を講じていることから、本市においても今後、具体案の中で検討したい。

江西 照康

大変厳しい方には軽減を考えるということだが、それにも手数料がかかる。それこそシステム費用の無駄が出る。
 ごみ有料化検討にあたり、まだまだ説明が不足していると思う。市長の見解を求める。

藤井市長

ごみを処理するということに多額の費用がかかるとことは、議員も私も一緒の意見です。少しでもごみを減量化して将来世代にツケを回さないことも共通の認識だと思う。今我々が排出しているごみの処分料の幾らばかりかを、出している我々が負担しようということが根本にあると思う。こういうことを認識しながらごみの議論をしていきたい。
 生活弱者の方への配慮だとか、市民の皆さん、議会に丁寧に説明して理解をいただくというのが非常に大事だと思うので、また議員と共に取り組みたい。

江西 照康


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