代表質問・一般質問

令和3年6月定例会

柞山 数男ほうさやま かずお

質問日 令和3年6月15日(火)
区分 一般質問
一問一答
  • 富山市の未来像について
  • 市長はどのような姿勢で 市政に臨むのか
  • 市町村合併について
  • 市長が掲げる4つの 政策課題について

令和3年6月定例会 本会議 一般質問(柞山議員)

富山市の未来像について

柞山 数男

本市の現状をどのように認識し、「幸せ日本一とやま」の実現に向け、どのような市にしていこうと考えているのか。

藤井市長

本市は、公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを政策の中心に据え、雇用や福祉、教育、環境、文化など、都市の総合力を高めるため様々な施策に取り組んできた。
 こうした取組の結果、1つ目として、昨年3月に路面電車南北接続事業が完成した。市内に約15キロメートルに及ぶLRTネットワークが構築されるなど、次世代に引き継がれる都市基盤が整備されたこと。2つ目として、近年、人口の転入超過や平均地価の上昇が連続しており、市の固有財源である固定資産税や都市計画税などの税収が増加し、中山間地域あるいは郊外部における市の単独事業の財源が生み出されるなど、税の還流が起こっていること。3つ目として、約9割の市民が、住み続けたいまちと評価するなど、市民のシビックプライドが格段に向上していることなど、様々な成果が大きく現れている。
 一方で、郊外の方からは、自分の住む地域に活気がない、中心部ばかりが発展していくという声がある。これらのことから、私が公約に掲げた「幸せ日本一とやま」の実現に向けた今後の市政運営は、人口減少や超高齢社会に対応していくため、都市経営の視点に立って、引き続き市の中心政策として公共交通を軸とした拠点集中型のコンパクトなまちづくりを継承し深めていくことが必要と考えている。
 その上で、1つには、郊外にある拠点や域内におけるコミュニティバスやデマンドタクシーの運行のほか、ボランティア輸送の新たな導入など、二次交通等のサービスの充実。2つには、オンライン申請など、行政のデジタル化の一層の推進。3つとして、AIやIoTなどを活用した富山市版スマートシティの構築に向けた取組などを通じて、暮らしの利便性を高めるとともに、市民一人一人の生活の質の向上をさらに図り、コンパクトシティ政策の果実が市全域に行き渡るように努める。
 また、市民にとって安全・安心に暮らせる災害に強く犯罪の少ないまちづくりや、医療・福祉の充実、意欲ある若者等が夢や希望を持って起業にチャレンジできるような環境づくりなども、産学官の連携を図りながら積極的に取り組む。
 私は、市民の皆さんがそれぞれの夢や希望を抱き、その実現に向かって努力することに対し、できる限り寄り添い、後押し、応援することが行政としての大切な役割と考えている。

市長はどのような姿勢で 市政に臨むのか

柞山 数男

どのような姿勢で現場重視、スピード重視の市政を実行していくのか。

藤井市長

今までの活動を通して、様々な問題や課題を抱えながらもそれらに立ち向かい、それぞれの立場で一生懸命頑張っておられる地域で生活する多くの方々に出会うことができた。こうした方々の努力によって、県あるいは市町村の行政が支えられているということも強く認識をさせていただいた。
実際に現場に赴き、現場を見て、現場の声を聞くことで、頑張っておられる方々や、また困っておられる方々に寄り添って、一緒に課題解決に取り組んでいく姿勢を自らに課してきた。こうした私の基本姿勢は市長となった現在も変わらない。
コロナ禍の真っただ中にあり、時代は混迷度を一層深めているが、なおさら現場主義やスピード主義を貫くことが大切だと考えている。初めて臨んだ市長就任式において、幹部職員に対して、市民重視、現場重視、スピード重視の姿勢に立って富山市政に取り組んでほしいと強く呼びかけた。私自身が先頭に立ってこうした姿勢を示すことで「幸せ日本一とやま」の実現を目指し、組織全体が一丸となって、心を一つにして市政推進に取り組んでいく。

市町村合併について

柞山 数男

どのように合併に対する検証を行っていくのか。

企画管理部長

合併から今日までの本市のまちづくりの16年余りの歩みを通して、市町村合併の意義や効果について今ここで客観的に検証することは、本市がコンパクトなまちづくりをはじめ、様々な政策を今後進めていく上でも大変意義がある。
 合併の検証方法は、ほかの合併自治体の事例などを参考にしながら現在検討を進めているが、本市は合併から既に16年以上の年数が経過しており、合併協議に携わった職員や関係者が年々少なくなっていることに加え、人口減少や超高齢社会が加速度的に進行するなど、合併とは直接関係のない日本の社会全体に共通する社会的要因等がある中でどのように客観的な検証を行うのかが課題である。
 今回実施する検証作業は、合併したこと自体の是非を問うためのものではなく、検証結果を今後の本市の施策に反映させることで市民のクオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を一層向上させるという基礎自治体としての使命を果たすためのものであり、検証作業の持つ重要性などから、少なくとも今後一、二年をかけ、外部の様々な意見もお聞きしながら、腰を据えて取り組んでいく必要があるものと考える。

市長が掲げる4つの 政策課題について

柞山 数男

市長が掲げる4つの政策課題「育む未来」「守る未来」「稼げる未来」「繋がる未来」にどのように取り組むのか。

藤井市長

本市の市政の現状をまずは理解した上で、公約の実現に向けてどういった取組が必要なのか、少し時間をかけてじっくりと検討してまいりたい。
 現在の市政の最重要課題は、まず新型コロナウイルス感染症から市民の命を守ること。このため、市民の皆さんへのワクチン接種を着実に進めることが地域経済を支えることに直結するという考え方で、全力を傾注してまいりたい。一方、私の選挙公約に関連した事業として、今定例会に富山市スマートシティ推進ビジョン策定に関する事業費を計上した。
 本市のコンパクトシティ政策をさらに深める──深化させていくとともに、この政策の果実を市域全体に広く行き渡らせるためには、ICTなどの技術を活用することにより市民の生活の質や利便性の向上を図る、いわゆる富山市版スマートシティの実現が必要不可欠である。いち早く取り組むため、6月補正予算案に計上した。
 また、スマートシティを実現するための推進体制として、今月3日には私を本部長とする富山市スマートシティ推進本部を立ち上げ、来年度を目途に、本市が目指すスマートシティの方向性を取りまとめたスマートシティ推進ビジョンを策定したい。
 今は市政の現状や課題等を十分に把握し、理解するとともに、私が掲げた公約を実現するためにはどういった事業がこれから必要なのか、じっくりと検討すべき時期であると考える。