令和4年3月定例会 本会議 一般質問(金岡議員)
児童クラブについて
金岡 貴裕
児童クラブの数は、合併前の平成16年度から17年間で38%以上減少している。少子化とはいえ減少幅が大きい。
減少率が大きい理由について市の見解を問う。
こども家庭部長
富山市児童クラブ連絡協議会は、塾や習い事の多様化など、子どもを取り巻く環境の変化、共働き世帯の増加による子どもの居場所の変化、少子化による加入児童数の減少、指導員の成り手不足を理由として挙げている。
金岡 貴裕
児童クラブ加入率向上に向けた対策について、市の見解を問う。
こども家庭部長
富山市児童クラブ連絡協議会活動補助金を交付しており、今後も充実した活動が継続されるよう支援を行う。
ご相談があれば、可能な範囲で協力について検討する。
金岡 貴裕
児童クラブの指導者、育成者たちが活動に専念できるよう、合併前のような事務を行政で受け持っていただきたい。
消防団の成り手不足解消について
金岡 貴裕
消防団の団員数が全国では、直近2年連続で1万人以上減少している。本市の団員数の推移と現在の団員数について問う。
消防局長
本市の消防団員数は、平成22年をピークに減少に転じ、平成30年以降は退団者数が入団者数を大きく上回り、本年2月1日現在の実員は2,164人、条例定数2,649人に対する充足率は82%。
通常の火災、風水害などの災害で、活動に支障が生じてないが、大規模自然災害が全国各地で発生している状況を鑑みると、地域防災力の中核である消防団の実員が減少傾向にあることは憂慮すべき状況である。
金岡 貴裕
私は昨年の6月に消防団員になり、使命感や、年末警戒などを通して郷土愛や団員同士の絆が深まり、操法大会の練習など大変やりがいを感じている。
消防団員の成り手不足解消に向けた取り組みについて問う。
消防局長
①女性消防団員の採用や女性分団の結成、②退職報償金の増額、③勇退勧奨年齢の引上げ、④消防団員等応援事業、⑤学生消防団活動認証制度の導入、⑥市自治振興連絡協議会への協力依頼など、取り組んできた。
さらに消防団幹部と協議を重ね、報酬体系、金額の見直し、団員個人への直接支給、また、運営に係る経費の予算措置を今定例会に提案している。児童・生徒に対する防災教育に地元の消防団員が携わる機会を増やし、市民の理解や認知度の向上を図りながら確保に取り組んでいる。
金岡 貴裕
消防活動費、消防団員報酬、分団運営活動費は、令和3年度予算額でおよそ2億円から、およそ56万円しか増えていない。これでは団員の処遇改善、士気向上や団員数の確保には繋がらない。
具体的に出動報酬や手当をどのように改善したのか。
消防局長
報酬は年額報酬と出動報酬の二本立てとなっている。
年額報酬は、基本給的性格を持ち、団員階級で現行2万2千円から3万6千5百円へ増額し、その他の階級は、団員階級と同様に地方交付税単価と同額とした。出動報酬は、1回当たり一律1千9百円を、改正後は、災害出動は1日当たり最大で8千円、災害以外の出動は1日当たり2千円とした。
金岡 貴裕
幾つもの分団で分団活動費として個人支給の年額報酬から徴収しており、個人支給の意義が失われている。一律4万円の消防団運営交付金とは別に、分団運営を維持できるよう補助することを求める。
小・中学校の通学路整備について
金岡 貴裕
令和3年6月、千葉県八街市で小学生の列にトラックが突っ込み、5人が巻き込まれる交通事故が起こった。これまでも通学路の点検を実施してきたが、事故を受け、いま一度見直すよう通知が出され、どのような見直しを行ったのか。
教育委員会事務局長
令和3年7月9日付で、①車の速度の上がりやすい箇所や大型車の進入が多い箇所、②ヒヤリハットの事例があった箇所、③地域住民などから改善要請があった箇所を踏まえ、学校、市教育委員会、道路管理者及び警察署などの連携による通学路の安全対策を講じるよう依頼があった。これを受け、各小学校が通学路点検を実施し、新たに193件の危険箇所が報告された。
その危険箇所に対し、関係機関と連携を図りながら対策の検討、実施を進め、各学校は、危険箇所の対策状況等について、通学路安全マップの掲示や配布による周知、児童・生徒の安全教育を実施している。
金岡 貴裕
富山市通学路交通安全プログラムは、PDCAサイクルを回し続けることになっている。
現在の状況について問う。
教育委員会事務局長
各小学校から、令和2年度までに615の危険箇所が報告された。311か所はハード面の対策を実施済み、または実施予定、残りの箇所は、ソフト面での対策を実施している。
各小学校は、安全対策が講じられた箇所に再度足を運び、実際に通学の様子を検証し、報告している。
今後は、年度当初に通学路を歩く安全点検を継続し、危険箇所を見過ごさず、より丁寧に点検を実施し、地域や関係機関と共に迅速に対応していく。
文化財保護について
金岡 貴裕
本年1月29日の富山新聞の朝刊によると、呉羽丘陵フットパス橋梁に係る工事により、遺構である旧北陸道の峠道の一部が消滅していたことが明らかとなった。富山市文化財調査審議会に事前に説明せず工事し、遺構の損壊があったと指摘が出た。
当該地域一帯は明神山遺跡がある場所であり、審議会にかけなかったことは思慮が浅いと言わざるを得ない。
市文化財調査審議会に対し、なぜ説明しなかったのか。
教育委員会事務局長
これまで試掘、発掘調査の実施に当たっての事前の説明は行っていない。
本案件の発掘調査の結果は、本年1月の審議会で概略を伝え、復元に関しても、委員からの発言を受け、旧北陸道の取扱いについて補足説明した。
金岡 貴裕
一般的に埋蔵文化財が埋まっている土地で市が工事をする場合、まず、開発事業担当部局が市埋蔵文化財センターへ関係書類を提出、次に、市埋蔵文化財センターが文化財保護法及び文化財保護法施行令に基づき、意見を県埋蔵文化財センターへ提出する。そして、県埋蔵文化財センターが発掘調査等の必要性を判断し、開発事業担当部局へ指示する。
令和2年6月に富山県埋蔵文化財センターが発掘調査の必要性を判断したのに、前の令和2年3月に当初予算で発掘調査の費用を計上できたのか。
教育委員会事務局長
連絡橋の構造物の設置予定場所が発掘調査の必要となる埋蔵文化財包蔵地であり、令和元年10月に市埋蔵文化財センターと協議の上、想定される発掘調査の費用を令和2年度当初予算に計上した。
金岡 貴裕
発掘調査の結果を受け、どのような対応を行なったのか。
副市長
連絡橋の整備工事は、事前に市埋蔵文化財センターと協 議の上、位置をずらすことが困難な構造物周辺部分は、発 掘調査を行い、記録保存するなど、適正に対応している。
また、工事箇所まで建設機械が通行する仮設道路部分 は、盛土による仮設道路とすることで遺跡の保護について 最大限の配慮に努めている。