令和6年3月定例会 本会議 一般質問(澤田議員)
大沢野地域、細入地域における コミュニティバスとシルバータクシーの 運行について
澤田 和秀
現在、市内では、大沢野地域、細入地域のみコミュニティバスの運行がなく、地域住民はコミュニティバスの早期運行を熱望している。細入地域ではシルバータクシーの利用ができない。なぜ利用ができないのかという声を多くいただいている。
大沢野シルバータクシーの過去3年間の利用状況について問う。
活力都市創造部長
令和2年度が1万7,749人、令和3年度が1万9,700人、令和4年度が2万948人と増加傾向となっている。
澤田 和秀
コロナ禍前よりも利用者が増えている。
これは、コロナ禍により地域の病院やクリニックが無料送迎バスの運行を廃止したことが大きな要因と考える。
また、シルバータクシーの運行により高齢の方々が安心して免許の返納ができるとの声も聞く。
細入地域は、シルバータクシーの利用ができないため、90歳を超えても運転免許を返納できない方もおられる。このような方々が安心して暮らし、自由に移動できる地域にするためにも、大沢野シルバータクシーを細入地域に拡大できないか。
活力都市創造部長
細入地域は、JR高山本線の楡原駅と猪谷駅があり、地鉄バスの停留所が13か所あり、細入地域の約98%の方が公共交通空白地域ではない。
さらに、富山・猪谷間で往復約20便の路線バスが運行されていることから、導入することは難しい。
澤田 和秀
シルバータクシーは、18歳未満や運転免許を持たない方々の移動手段としては使えない。大沢野地域は東西を結ぶ交通機関がなく、遠く離れたバス停やJR高山本線の駅に行くために、家族に送迎してもらうか自転車で行く必要がある。自転車でバス停に着いても、バス停によっては自転車を置く場所もなく、冬は雪が降るため自転車を使うことはできない。家族を送迎するために正社員を諦め、パート勤務を余儀なくされているとの声も寄せられている。
これらの方々の移動手段としてコミュニティバスは大変有効。市営コミュニティバスを大沢野地域、細入地域で導入する可能性について問う。
活力都市創造部長
新たに市営コミュニティバスを導入するには、新たな設備投資が必要となり、多くの地域から地域自主運行バスの導入に向けた相談がある中、既に高齢者の移動手段が確保されている大沢野地域に市営コミュニティバスを導入することは難しい。
富山市の福祉避難所について
澤田 和秀
福祉避難所は、主に社会福祉法人が地域貢献のために自ら登録している。
本市の福祉避難所の種別ごとの登録件数を問う。
防災危機管理部長
老人福祉施設が52、障害者支援施設等が10、特別支援学校が2、児童福祉施設が1。
澤田 和秀
高齢者施設は多くの登録があるが、障害者、児童施設等の登録施設は極端に少なく、増やす必要がある。
防災危機管理部だけではなく、福祉保健部と連携を取って早急に進めていただきたい。
次に、地域ごとの登録件数を問う。
防災危機管理部長
富山地域48、大沢野地域8、大山地域1、八尾地域2、婦中地域6、山田地域、細入地域はゼロ。
澤田 和秀
地域のばらつきが目立つ。地域によっては徒歩圏内に福祉避難所がないところもある。
地域格差が生じないよう施設の登録を進め、新規に施設を設置する場合は福祉避難所登録を前提に計画的に進めていただきたい。
次に、今回の地震における福祉避難所の開設件数について問う。
防災危機管理部長
今回の能登半島地震の際、福祉避難所は開設していない。
澤田 和秀
一般避難所は本市のほぼ全域で開設された。市が策定した福祉施設向け福祉避難所開設・運営マニュアルによると、福祉避難所の受入れ対象者は要配慮者とその介護者で介護保険施設や医療機関等に入所、入院に至らない方とあり、その判断は市が決定するとある。
一般避難所に避難された方は約8,100人。その中で要配慮者である福祉避難所対象者がゼロだったということはありえない。
一般避難所と福祉避難所の開設定義について問う。
防災危機管理部長
一般避難所は、災害時の危険性がなくなるまで住民を受け入れる避難施設で、主に小・中学校などの公共施設が指定されます。市災害対策本部が開設を決定し、市職員が指示を受けて運営を行います。避難者は、災害による住居の損壊や危険性の回避が目的で一定期間滞在します。
福祉避難所は、一般避難所に避難した中で高齢者、障害者、妊産婦、乳幼児などの要配慮者を受け入れるための施設です。事前に協定を結んだ施設が対象となり、災害時に市災害対策本部から開設要請を受け、要配慮者とその家族を移送します。これにより、特別な配慮が必要な避難者が適切な環境で過ごせるよう支援します。
澤田 和秀
一般避難所に避難してきた要支援者は、その場で判断して福祉避難所に移動することになるが、一般避難所の開設者が必ずしも福祉の専門家ではない。要配慮者か否かを判断することは難しい。
要支援者の安全確保の点から、一般避難所と福祉避難所は同時に開設する必要がある。
日頃から地域福祉に積極的に携わり、BCPを作成し、備える社会福祉法人の専門性を活かすべき。
次に、福祉避難所における送迎について問う。
防災危機管理部長
福祉避難所への移動は、原則として要配慮者自身で家族や支援協力者等の協力により行う。
しかし、自力や家族等での移動が困難な場合もあり、市から福祉避難所施設管理者に対し、福祉避難所施設の本来業務の継続に支障のない範囲で協力を依頼したり、災害協定を締結している交通事業者と連携することも想定している。
澤田 和秀
1つの例として、昨年7月の豪雨災害のときに大山地域の一部で地域住民が避難するためのバスが用意された。
しかし、支援が必要な独り暮らしの高齢者がバスに乗車できず、避難できなかった。このようなことはあってはならない。
福祉避難所に要支援者登録制度があれば、専門性を持ち、福祉車両を持つ福祉避難所が迎えに行き、避難できた可能性もある。支援が必要な方々の福祉避難所への送迎の在り方もしっかりと計画していただきたい。
次に、福祉避難所における支援物資について問う。
防災危機管理部長
原則、市が調達する。福祉避難所は必要な物資等の確保を市に要請する。
災害発生当初の段階ですぐに食料や資機材を調達することが困難な場合、可能な範囲で施設側に物資の提供の協力をお願いし、要した費用を市が負担する。
福祉避難所の施設管理者とあらかじめ調整し、災害発生時には速やかに福祉避難所を開設できるよう、関係部局と連携を図りながら日頃からの備えを進めたい。
澤田 和秀
本市が昨年作成した福祉避難所開設・運営マニュアルは重要な役割を果たしているが、課題が多くある。早急な改定が必要。
今回、防災危機管理部が全て答弁したが、福祉保健部が積極的に関与し、しっかりとサポートしていただきたい。災害時には何が起こるか分からない。一番必要になるのが現場力だと思う。藤井市長には福祉的な支援が必要な方にしっかり寄り添い、縦割りでない組織をつくり、共生社会の実現を行っていただきたい。私たちも全力で協力したい。