令和5年9月定例会 本会議 一般質問(金岡議員)
災害情報の発信について
金岡 貴裕
本年7月12、13日に富山県で初めて線状降水帯が発生した。
緊急速報メール、エリアメールについて、一斉配信を行わなかったとあるが情報発信の判断について問う。
防災危機管理部長
今回の災害対応においては、避難対象地域外の方の混乱を招くなど、予測される事態を総合的に判断し、全市民への一斉配信は行わなかった。
金岡 貴裕
県内他市町村においては、避難所を開設した自治体のほとんどが緊急速報メールを発信している。
多くの市町村が本市同様に広域であり、今回のような災害が発生した場合でも、避難対象地域と、そうではない地域があると考えるが、実際に部長が懸念したような事態がほかの市町村で発生したのか。
防災危機管理部長
緊急速報メールについては、各種訓練等の中で発信をすることもあるが、関係のない地域の方から苦情は数件来ている。
訓練する地域だけで発信しているが、参加しない住民から苦情の電話等が入っている。それを富山市全体に流すことになると、相当の苦情が出てくると思うので、発信をしなかった。
金岡 貴裕
県内で、本年7月12日夜から13日朝にかけて緊急速報メールを送ったとされる市町村は、6市町村。
線状降水帯の発生した時間がもう少し長引いて、どうしても避難しなければならない事態に陥ったときには、深夜だからといっても緊急速報メールを発信せざるを得なかったと想定する。そのときにはもっとひどいことになっていたと考えるが、その点についてはどう考えるか問う。
防災危機管理部長
線状降水帯が長引くと、洪水等浸水が発生するので、発生した場合は避難所に行くのではなく自宅で垂直避難をしてもらうことが必要だと思う。
洪水等で水害等が起きている避難所ではなく、別の避難所を選んでいただくとか、どこで水がつくかということは、その地域の方は分かっていると思うので、事前に調べておく必要もあると思う。それが自助につながると思うし、避難所だけが避難する場所ではないことを覚えていただき、市民の方々に機会を捉えて話をしていきたい。
金岡 貴裕
今回の災害時、避難所開設については緊急速報メールを使わなかったが、ホームページ、X、フェイスブック、テレビ、ラジオの複数のツールを活用したと答弁されたが、X、フェイスブックのフォロワーが何人いるか問う。
防災危機管理部長
Xは約1万のフォロワー、フェイスブックの富山市防災については、今月末で閉鎖する予定で、本年8月から運用を開始した市のLINE公式アカウントにおいても防災情報を発信しており、8月末時点で約1万4,000人の登録があり、うち1万1,000人の方が防災情報を受け取れる設定です。
金岡 貴裕
ホームページからの発信もあったとありましたが、アクセス数の検証は行われていますか。
防災危機管理部長
行っていない。
金岡 貴裕
どのようにLINEを活用していくのか問う。
防災危機管理部長
LINEの活用については、防災情報という形で発信をしていて、富山市の警報等を発信している。
金岡 貴裕
情報を行き届かせるためには、フォロワーの数を増やすという課題がある。それについてはどう考えるか問う。
防災危機管理部長
引き続き登録者の増加につなげるよう、出前講座や各種訓練など、あらゆる機会を捉えて周知に努めたい。
金岡 貴裕
今後の災害情報の発信の在り方について問う。
防災危機管理部長
今後の情報発信については、より効果的な情報発信手段を確保し、夜間にかけての天候悪化が見込まれる場合には、明るいうちに避難するよう早めの情報発信に努め、情報を受け取る市民にも、災害の発生が見込まれる際には情報収集に努めるよう、平時からいろいろな場所で啓発を行っていきたい。
金岡 貴裕
緊急速報メールですが、現在ではエリアに分けて発信することができるようです。
これに対しては費用もかかるようですが、今後の緊急速報メールの活用を考えていただきたい。
災害時における消防団の在り方について
金岡 貴裕
今回の記録的豪雨で消防団にどんな指示をしたか問う。
消防局長
本年7月の豪雨災害時には、被害発生のおそれが極めて高くなったので、消防局長命令を発令し、警戒態勢を整えるよう全署へ伝達し、消防団へは、管内の状況に応じて管轄署からそれぞれの分団に同様の伝達を行った。
消防災害対策本部等の設置について、消防局一斉配信メールを活用し全団員へ情報配信を行った。
消防団への具体的な参集等の指示については、本市の市域が広いため、地域により状況が異なることから、団員の参集が必要だと判断した場合には、管轄署からそれぞれの分団へ連絡を行うこととし、このたびの豪雨時には婦中方面団で分団器具置場へ参集が指示された。
このたびの豪雨時は、消防局からの指示を待っていた分団もあったと聞いているので、消防団員自らが災害等を覚知した場合には自主的・自発的に活動が行えることを、いま一度周知したい。
金岡 貴裕
災害に備えるため、消防分団器具置場で待機した場合の 出動報酬の支払いについて問う。
消防局長
お尋ねの消防分団器具置場で待機することについては、出動報酬の対象にはならない。
しかし、今回のように大雨警報が発表されている中で、長時間にわたり消防分団器具置場で待機することは、団員の負担となるから、他都市の状況等も参考にしながら、支給の要件等を調査・研究したい。
金岡 貴裕
消防庁から神戸市で運用している消防団スマート情報システムの説明を受けた。豪雨災害のときに、富山市のどこで危険が迫っているか把握するのに役立つと思うが、このシステムの導入を検討してはどうか問う。
消防局長
消防団スマート情報システムは、台風や地震等の自然災害時における市内全域の災害情報の共有を主たる目的とし、具体的な使用方法としては、消防団員が災害状況の画像をスマートフォンのLINEアプリで送信することにより、他の消防団員がスマートフォン上で災害の位置や状況を確認できるシステムである。
今後、広域にわたる災害が発生した場合において、担当区域を越えて活動をすることも考えられることから、議員御提案のシステムに関するメリットやデメリット、必要経費などの課題について調査・研究したい。
金岡 貴裕
緊急時に危険情報を一斉に情報伝達でき、災害現場の最前線で活動する消防団員の事故防止にもつながる。AIで整理された地図は、消防局、消防署、消防団本部、消防団員のスマートフォンでも確認でき、市民への避難指示や市民が必要と思われる情報の広報にもつながる。
ぜひ導入の検討をお願いする。