代表質問・一般質問

令和5年9月定例会

久保 大憲くぼ ひろのり

質問日 令和5年9月11日(月)
区分 一般質問
一問一答
  • 防災対策について
  • 水道事業について
  • ごみ減量化について

令和5年9月定例会 本会議 一般質問(久保議員)

「広報とやま」について

久保 大憲

新型コロナウイルス感染症が五類に引き下げられ、自治振興会や町内会では4年ぶりに行事が再開されるなど、地域コミュニティーの再構築が進んでいる。
一方で、町内会役員は行事が再開される中で、負担感が増し、成り手不足に拍車がかかっている。
 私は、今年度から町内会の班長になり、様々な町内会活動の準備や後片づけなどに携わるようになり、町内会を維持していくことは、多くの市民の努力の上に成り立っているのだと肌身をもって感じている。
 私が年2回、各町内で開催している市政報告会では、富山市広報の配布負担が大きいので回数を減らすことはできないのかという要望を受けたことが何度かある。
そこで、現在、市が導入促進を図っている結ネットを活用して「広報とやま」を電子配布してはどうか。
 具体的には、紙による配布を希望する世帯には従来どおり紙での配布を行い、紙による配布を希望しない世帯には結ネットを活用して電子配布に切り替える。
市にとってもごみの減量化や二酸化炭素排出量の抑制といった環境面への貢献、印刷費や振興会費、振興会などに送付する配送料といった財政負担の軽減を見込むことができ、市長の進めるスマートシティ構想とも合致するのではないか。

企画管理部長

「広報とやま」は、毎月2回、市内全域に設置されている自治振興会の多大な御理解と御協力を得ながら市内全世帯に配布している。
一方、市では、近年のインターネット等の急速な普及に対応して、市ホームページへの掲載のほか、先月から富山市公式LINEによる配信など、電子版での情報提供にも努めている。
 「広報とやま」の配布方法の在り方については検討すべき課題であると認識しているところであり、議員から御提案のあった結ネットを活用した配布方法などを含め、今後、調査・研究を続けてまいりたい。

富山市の都市計画について

久保 大憲

少子・高齢化、人口減少、東京一極集中などの社会問題に対しては、国や県、市も改善に向けた様々な取組をしているが、改善の兆しは見えてきていない。
市が平成29年に策定した富山市空家等対策計画には、「人口と世帯数の減少に伴い、住宅の余剰が大きくなることが予想されます」と記されている。少なくとも市は、宅地や住宅の供給は不足していない、むしろ今後は余るとの認識である。しかし、平成29年6月定例会の答弁で当時は市街化区域内農地が約500ヘクタール存在し、新たに2万人分の宅地を供給することになり、宅地が供給過多になれば空き家が増えるのではないかと指摘したが、開発行為の件数や面積を理由に、今後とも市街化区域においては宅地の需要が見込まれるとの答弁があった。市の見解は現在まで変わっていない。
 過去5年分の木造専用住宅の新築、滅失件数と空き家の推移では、新築は7,548棟、滅失は6,648棟と900軒ほど新築が多くなっている。一方、富山市空き家実態把握調査によると、5年間で1,313軒増えている。数字上は、既存の空き家や空き地を利用することで宅地を十分供給できていたことになる。
 宅地の需要と供給が均衡している中で、市街化区域内の農地に対して宅地化するように圧力をかけ続けることは矛盾しているのではないか。

活力都市創造部長

本市の空き家対策は、空き家による周辺環境の悪化や不動産の流通が進まない等の課題への対応につながるだけでなく、中古住宅の低廉性や、一定の社会基盤が整備されているメリットを生かしたまちなかや既成市街地等での住まい方を可能とするものである。
 一方で、市街化区域内に残る農地の宅地化については、概ね10年以内に優先的かつ計画的に都市化を図るべき区域である市街化区域の性格とも一致しており、新たな社会基盤や新築住宅の建築によるメリットを生かした郊外等でのゆとりある住まい方を可能とするものである。
 このことから、市民に対して多様な住まい方を提供するためには、空き家対策と市街化区域に残る農地の宅地化はともに必要な施策であり、また、本市の都市マスタープランに掲げる「郊外での居住やまちなかでの居住など多様な住まい方を選択できるまちづくり」の方針とも合致することから、議員御指摘の矛盾は生じていないものと考えている。

久保 大憲

国は、市街化区域内農地について宅地化すべきものと位置づけていたが、平成27年に都市農業振興基本法、平成29年に都市緑地法などの一部を改正する法律に加え、平成30年には住居系用途地域に新たに田園住居地域を創設するなど、方針転換を図っており、本市の見解だけが取り残されている。
 さらに国は、市街化区域内に大量の農地が存在する場合、政策的な措置をせずに宅地化が進めば、立地適正化計画の実行効果が薄れ行政コストが増加すること、また、人口減少下で需要以上の宅地供給が発生すれば、地価が下落することで税収が減少する可能性があると指摘し、都市農地の保全は地方都市における喫緊の課題と警鐘を鳴らしており、全て現在の富山市に当てはまる。

 社会情勢を踏まえて、優先順位や有効性を検討しながら、必要があれば、見直さなければ、真の意味で持続可能な社会を実現することはできない。
本市の都市計画は、人口減少や少子・高齢化、空き家を真正面から受け止めなければならない時期に来ている。制度や政策を見直すことを過去の否定と捉えて思考を停止しては、物事は改善しない。
 線引き都市計画の廃止も視野に入れ、持続可能な都市計画の在り方について抜本的な見直しを検討してはどうか。

活力都市創造部長

現時点で線引き都市計画を廃止することは考えていないが、持続可能な都市計画の在り方を検討することは必要であると考えており、今年度着手した次期都市マスタープランの策定において、地域の実情や特性を考慮しながら、本格的な人口減少時代の先にある目指すべき都市の将来像を見据え、必要な検討を進めてまいりたい。