令和6年9月定例会 本会議 一般質問(柞山議員)
富山市長選挙、2期目出馬の意欲について
藤井市長
富山市長の任期が約3年5か月経過し、残り半年となりました。この間、新型コロナウイルス感染症への対応、記録的な豪雨、令和6年能登半島地震からの復旧・復興に全力を尽くしてきました。市政運営においては、市民の声を第一にし、現場重視、スピード重視で取り組んできました。現在、人口減少や少子・超高齢化、人手不足、公共インフラの老朽化などの課題が急務となっています。
持続可能な都市経営を目指し、公共交通を軸としたコンパクトなまちづくりとデジタル技術を活用したスマートシティ政策を推進してきました。しかし、交通事業者の経営悪化や運転手不足に対して強い危機感を持っています。
今後も、子育て支援の充実、良質な雇用機会の創出、教育の推進、地域コミュニティーの活性化など、「幸せ日本一とやま」を実現するための施策を包括的に推進する必要があります。次期市長選に向けて、市民の支援を得られれば、引き続き市政運営に全力を尽くす決意です。
避難所運営訓練とリーダー養成について
防災危機管理部長
避難所開設・運営訓練は、地区防災計画を策定している地区を対象に、富山県防災士会のサポートの下、市職員や地域の自主防災組織が参加して行われます。令和5年度から5地区で実施され、本年11月にも1地区で訓練が予定されています。市職員が避難所開設の手順を地域住民に示すことで、避難所の具体的なイメージを持ってもらうこと、地域の自主防災組織が中心となって実地訓練を行うことで、住民一人一人が自分の役割を確認できる。訓練の振り返りが地区防災計画の見直しや富山市避難所開設・運営マニュアルの改訂に反映され、より安全で快適な避難所運営のルールづくり役立ていきます。防災士資格取得を希望する市民に対し、県主催の防災士養成研修講座の受講料を免除する財政支援を行っており、昨年度までに213名が防災士に合格、今年度は73名が受講予定です。また、富山県防災士会と連携し、毎年自主防災組織を対象に地域の防災リーダー研修を実施しており、今年度は61名が参加しました。
気象警報の発表地域の細分化について
防災危機管理部長
富山市は広大な市域と多様な地形を持つため、地域によって気象条件が大きく異なります。そのため、平野部に降水がない場合でも、山間部での降水量が警報基準に達すると市全体に大雨警報が発表され、市民の危機意識が低下する恐れがあります。この問題を解決するために、大雨や大雪などの気象警報の発表地域の細分化について、富山地方気象台と協議を重ねています。引き続き、富山市の気象予報士の分析を活かし、適時的確な情報収集を行い、市民の安心・安全の確保に努めていく方針です。
休日の部活動を地域移行する目的は
教育長
スポーツ庁及び文化庁が令和4年12月に策定したガイドラインでは、学校部活動と新たな地域クラブ活動の在り方について少子化の進展により、中学校の部活動を従来通りに運営することが難しくなっている。専門性や意思に関わらず、教師が顧問を務める従来の指導体制を継続することが、学校の働き方改革が進む中で一層厳しくなっている。
このような現状を踏まえ、地域の子どもたちは学校を含めた地域全体で育てる意識の下、地域の持続可能で多様な環境を整備し、スポーツや文化芸術の最適化を図り、体験格差を解消することを目指しています。
地域クラブ活動への 参加費用の支援について
教育委員会事務局長
学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方に関するガイドラインでは、保護者の負担軽減が重要視されています。地域クラブの運営団体や実施主体は、生徒や保護者、地域住民の理解を得ながら、活動の維持・運営に必要な範囲で可能な限り低廉な会費を設定することが求められています。富山市では、持続可能な活動環境を整備するため、地域クラブの運営費や指導者への謝金を保護者に負担してもらうことを想定しております。
経済的な困難を抱える家庭への支援について、学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドラインでは、都道府県及び市区町村が地域クラブ活動への参加費用の支援を進めることが示されています。富山市も他都市の動向を注視しながら、調査・研究を進めていく方針です。
部活動の地域移行の 今後のスケジュールについて
教育長
富山市における休日の部活動の地域移行について、現在15の中学校で60の部活動が地域クラブへ移行済み、または移行に向けた取り組みを行っています。その内訳は、22の部活動が既に移行を完了し、33の部活動が移行に向けて取り組んでおり、5の部活動が今年度中に移行を開始する予定です。
今後のスケジュールとしては、富山市中学校長会、富山市PTA連絡協議会、富山市スポーツ協会、各関係部局の代表者で構成される協議会を継続的に開催し、各学校での地域移行に伴う課題を共有し、各団体と連携しながら地域移行を進めていく方針です。
中山間地域における 持続可能な農業について
藤井市長
富山市では、中山間地域における持続可能な農業を推進するため、スマート農業の導入や集落営農の組織化・法人化、農地集積の支援などを行っています。また、国の中山間地域等直接支払制度を活用し、農用地の維持管理活動に対する支援も行っています。
しかし、過疎化・高齢化が進む中山間地域では、単独での営農活動や集落機能の維持が困難になっている集落もあります。そのため、複数集落での連携が重要とされています。
八尾地域黒瀬谷地区では、地区全域を活動エリアとして効率的な営農体制に再編された農事組合法人が設立され、農村型地域運営組織(農村RMO)も設立されました。この組織では、農事組合法人、自治振興会、関係団体が連携し、農地の保全や地域資源の活用、生活の利便性向上に取り組んでいます。
この取り組みが中山間地域における持続可能な農業や地域コミュニティーの活性化につながる有効なモデルケースと考え、引き続き県と連携して支援を行う方針です。また、中山間地域は日本の原風景であり、災害から平野部を守る役割もあるため、その維持・発展が重要と考えております。
地域計画の作成と目的について
農林水産部長
富山市では、市内38地区で地域計画の作成に必要な協議の場を随時開催し、現在の耕作者を地図に記入する作業を進めています。この作業により、地域農業の現状や課題を再認識し、地域農業の将来について話し合うきっかけを作り、農地を守る意識の醸成に役立っています。
地域計画は、農地一筆ごとに将来の耕作者を確認できるため、農地を集積・集約しようとする大規模農家と地権者のマッチングを効率化させる役割が期待されます。また、地域の状況の変化に応じて適宜変更できるため、地域が主体となって基盤整備事業や農地の保全活動を活性化させる役割もあります。これにより、農村環境の維持保全が期待されています。