代表質問・一般質問

令和6年9月定例会

久保 大憲くぼ ひろのり

質問日 令和6年9月12日(木)
区分 一般質問
一問一答
  • 地域子育ての重要性について
  • いじめの重大事態の再調査について

令和6年9月定例会 本会議 一般質問(久保議員)

地域の子育てについて

久保 大憲

地域子育ての重要性について藤井市長の見解を問う。

藤井市長

子どもは、家庭、友達、ご近所、町内、地域、学校、各種団体
等、生活のあらゆる場面で多くの人々と出会い、時には導かれ、時には叱咤激励されながら人格形成をしていく。
登下校中の小学生の見守りで、地域の皆さんが声をかけていらっしゃる。地域の子どもは地域で守り育てていくという地域愛で成り立っている。これこそが地域子育ての原点。
このような地域の力を原動力として、社会全体で子ども・若者、子育て当事者を支え応援する環境づくりが、こどもまんなか社会の実現に重要である。

久保 大憲

議員になった頃、地域の保育園から来賓として入園式に御招待いただいた際、自治振興会や社会福祉協議会、民生委員、町内会、小学校などから来賓として多くの方が御列席されていた。
いつの頃からか声がかからなくなった。地域の人を来賓として呼ぶことで、地域との連携がさらに深まる。
35ある市立保育所のうち、自治振興会長は全ての保育所で招待していたが、社会福祉協議会の会長を招待しているのは19、民生委員児童委員協議会は17、小学校は22施設となっており、その他に交通安全協会や長寿会、交番など、保育所ごとでまちまちだった。
市立保育所では、保育所の裁量で来賓を決めているが、市が来賓として招待すべき方と招待を検討すべき方を周知徹底した上で、民間の保育園に対しても市の取組を伝え、市内の全ての保育園で地域の方と顔の見える関係をつくるよう促してはどうか。

こども家庭部長

児童の健やかな成長のためには保育施設と地域の人々との交流や連携は重要と考えており、地域の人々のふれあいを大切にした保育を実施するよう促す。

久保 大憲

地域の児童がより多く地域の保育施設を利用することは小学校への接続や教育環境の整備、きめの細かい指導につながると考えるが、教育長の見解を問う。

教育長

安心して小学校へ入学するためにも保育所や幼稚園等と小学校との情報共有や連携が重要である。各小学校では、教員が夏休み中に就学予定の幼児が在籍する保育所や幼稚園等に直接出向き、実際に幼児が遊ぶ様子を観察し、保育士等と懇談することで就学に当たっての配慮事項等を確認している。

久保 大憲

様々な事情があり、自分の居住地域の保育園に預けられないことは多々ある。
できるだけ多くの子どもが地域の保育園に通うことは、教職員の負担軽減の面からも、大変ありがたいと校長や教員から伺っている。
先日、地元の小学校の入学式に出席した。来賓として体育館に入場する際に廊下に新1年生が並んでいた。入学式には地域の保育園の園長先生も参列していて、子どもたちの横を通るときに、子どもが元気な声で「園長先生」と声を発した。すると「本当だ、園長先生だ」と声が上がり、園長先生が一人一人のお子さんの頭をなでながら「おめでとう、これから頑張るんだよ」と言っていた。子どもたちはそれまで大変緊張した顔だったが、満面の笑みで園長先生と話す姿を見て、本当にいい光景だと思った。
入学式前のほんの一瞬の出来事かもしれないが、子どもにとっては期待と不安が入り交じって緊張している中、慣れ親しんだ保育園の園長先生と顔を合わせて、卒園しても園長先生は見守っていてくれると思えたことは、その子どもたちの心に大きくいい影響を与えたと思う。こういった、ささいなコミュニケーションの積み重ねも子どもの利益につながる。
地域の子どもが地域の保育園に通うということが子どもの最善の利益につながることは明らかである。
そこで、居住地域の保育サービスを受けられやすくするために地域加点制度を改めて提案する。
初めて提案したのは令和2年3月定例会。その際は、様々な影響が考えられるから慎重にならざるを得ないと答弁があり、再質問で調査・研究すると約束を引き出した。
その年の12月定例会で改めて質問したところ、調査結果として複数の中核市で地域の加点制度を導入していることが分かった。しかし、市は保護者のニーズを重視し、地域加点制度は本市にはなじまないとして導入しないとの答弁だった。
あれから4年が経ち、令和5年4月には子どもの最善の利益を第一としたこども家庭庁が発足し、こども基本法も施行された。
県議会がこども基本条例を制定するとの報道もあった。さらに本市では、(仮称)富山市こども計画を策定している。こどもまんなか―子どもの最善の利益を掲げるのであれば、地域加点制度の導入を否定することはできない。地域加点制度の導入について市長の見解を問う。

藤井市長

これまでの調査・検討の中で、1つに、小学校区内の保育施設を利用することに大変なメリットがあること、2つに、自宅近くにある小学校区内の保育施設への入所ができないといった相談が寄せられていること、3つに、中核市62市のうち3市において、利用調整基準において点数が同一の場合、居住する小学校区内の保育施設への入所を優先する取扱いを設けていることなどから、利用調整基準における点数が同一点数となった場合に小学校区内の保育施設への入所を優先することを検討したい。

いじめの重大事態の再調査について

久保 大憲

本年7月に保護者が市長宛ての意見書を提出したいじめの重大事態は、重大事態として認知される前から保護者から相談を受け、学校や市教育委員会との協議にも同席し伴走してきた。いじめ重大事態と認知するまでの過程、学校の調査方法や調査結果、市教育委員会からのフィードバック方法や事務手続の経緯など、あらゆる面で場当たり的で、ガイドラインや法から逸脱した対応により被害生徒や保護者が何度も何度も傷つき苦しむ姿を見て、自らの力のなさを悔やみ、悩み続けてきた。
基準に照らし合わせれば再調査する以外に選択肢がないと確信しているが、市長の見解を問う。

藤井市長

本年8月2日に当該事案の調査結果報告書と併せて調査結果に対する保護者の所見を市教育委員会から受け取った。また、保護者の方が直接私に伝えたかった事柄も拝読し、大変重く受け止めている。
市長として公平・中立な立場で再調査の判断を行ってまいりたい。