令和6年9月定例会 本会議 一般質問(泉議員)
富山県と富山市との連携について
泉 英之
今回は、富山県と富山市との連携について関連部局への質問となります。昨年の12月定例会で指摘したとおり、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律では、保護は、個体数や生息エリアが減少しているものは増加や維持を目指し、管理は、個体数や生息エリアが拡大しているものは単純に減少させなさいと明確にその方針を仕分けしているにもかかわらず、第5期富山県ニホンザル管理計画では、曖昧なモニタリング調査数に基づき、いまだ誤った語句を訂正すらしていない状況にあります。泉2024年9月12日(木)次は建設部への質問に移ります。昨年7月の豪雨災害発生箇所の復旧作業についての話になりますが、現在も閉鎖されている瓶岩橋の右岸に当たる立山町側の県道は、災害翌日には土砂除去並びに側溝清掃まで対応していたにもかかわらず、左岸に当たる富山市側の県道は、片側の通行は確保したものの、1週間たっても山側の車線上に崩れた土砂を積み上げたままで、雨が降るたびに路面に雨水が流れ出す状況にありました。同じ富山県の立山土木事務所と富山土木センターでさえ、対応に大きな違いが見られました。
この夏の事例として、上滝小学校のプールにサルの集団が水浴びの上、ふん尿を垂れ流し、夏休み中、プールが閉鎖されていたことを地元自治振興会長より聞かされました。大山地域の住民は、何ら対策を講じない行政に対してこれまで以上に怒りを訴えている状況にあります。
富山県では今年度、ニホンザル頭数等のモニタリング調査を全県で実施していると聞いておりますが、群れ数、頭数、生息域の明らかな拡大が予想されることから、今後示されるニホンザルのモニタリング調査の結果を受けて、富山市は富山県に対してどのような踏み込んだ提案をお考えなのか答弁を求めます。
農林水産部長
富山県では、県内のニホンザルの群れの分布や行動圏などを把握するため毎年モニタリング調査を実施しており、加えて、今年度からは発信器が装着されている群れについて約3か年かけて正確な個体数を把握するニホンザル個体数調査事業を実施していると伺っております。
本市では近年、ニホンザルによる生活環境被害などが後を絶たず、目撃が多い地区からは県のニホンザル管理計画と実際の個体数に乖離があるのではないかという声を聞いております。
本市では、こうした状況から、機会を捉えて捕獲頭数の上限の引上げを県に要望してきたところでありますが、今回の県の事業において市内のニホンザルの個体数や群れの数などは増加するものと想定していることから、今後、県の管理計画の見直しと捕獲頭数の上限の引上げについて強く県に要望してまいりたいと考えております。
泉 英之
次は建設部への質問に移ります。
昨年7月の豪雨災害発生箇所の復旧作業についての話になりますが、現在も閉鎖されている瓶岩橋の右岸に当たる立山町側の県道は、災害翌日には土砂除去並びに側溝清掃まで対応していたにもかかわらず、左岸に当たる富山市側の県道は、片側の通行は確保したものの、1週間たっても山側の車線上に崩れた土砂を積み上げたままで、雨が降るたびに路面に雨水が流れ出す状況にありました。
同じ富山県の立山土木事務所と富山土木センターでさえ、対応に大きな違いが見られました。
そこで、1つの提案ではありますが、流出土砂を地元建設業者が所有する資材置場などに一旦仮置きし、水分が抜け、土量を算定した後、官公庁が指定する産業廃棄物処理場まで運搬することで速やかな人流、移動の確保が可能になると感じましたので、県道敷ののり面崩壊等の復旧作業について、県と市が連携し、速やかな道路交通の確保に向けた仕組みづくりが必要と考えますが、見解を求めます。
建設部長
道路敷におけるのり面崩壊などによる道路の復旧は、道路法に基づき、原則、当該路線の道路管理者が行うこととされております。
また、富山市地域防災計画では、災害情報の収集、伝達、共有や重要道路の確保について基本的方針や役割が定められており、県道敷においてのり面崩壊があった場合には県から警察や消防、本市を含めた関係機関などに対しファクスやメールで被害の発生地点や状況、通行規制の情報等が共有されるなど、連携体制が構築されているところであります。
災害時においては一刻も早い道路交通の確保が求められることから、引き続き国や県、災害時協定に基づく団体などとの連携強化に努めてまいりたいと考えております。
また、本市では、富山県富山土木センターと各種事業の連絡調整を行う会議を毎年開催しておりまして、議員から今ほど御提案のありました、迅速な道路交通の確保に向けた仕組みづくりについては課題として提案するなど、調査・研究してまいりたいと考えております。
泉 英之
藤井市長が県議会議員時代、積極的に関わられ、平成31年2月に成立した富山県中山間地域における持続可能な地域社会の形成に関する条例に基づき、富山県の令和2年度中山間地域「話し合い」促進事業が、大山地域の小見校下未来塾として総勢40人、5つのグループに分かれて、おのおの実現可能なテーマについて4回のワークショップで議論されました。
その中の1つに、富山市小見地区と立山町千垣地区に架かる芳見橋の歩道部に下流側の富山地方鉄道千垣橋梁を通る電車を撮影する鉄道ファン、いわゆる撮り鉄が季節を問わず多く集まっていることから、常願寺川左岸のほかに撮影のための広場を整備してはどうかとの案があり、現地調査を経て、撮り鉄の丘整備事業として議論的には採択されました。
目的としては、1つ目に、駐車場を整備し、路上駐車をさせないことで芳見橋の通行の安全を確保すること、2つ目に、市が撮影スポットを整備することでキャニオンエキスプレスやレッドアローなど富山地方鉄道の多彩な鉄道車両が全国に配信され、当社に対するソフト面の支援にも寄与すること、3つ目に、立山連峰や鍬崎山を背景に、国指定の重要文化財の立山砂防施設群である本宮ダムの風光明媚な景色も紹介されることにより、立山山麓の活性化や観光振興にも貢献が期待できることなどの観点から、このまま住民提案の取組が無駄にならないよう、この撮り鉄の丘整備事業について富山市の事業として展開できないか答弁を求めます。
商工労働部長
今ほど議員からも御紹介がありましたが、撮り鉄の丘整 備事業は、令和2年度に小見地区自治振興会が県の中山間 地域「話し合い」促進事業の支援を受けて開催されました 小見校下未来塾において策定したアクションプランの1つで あると伺っております。
小見地域は、立山山麓地域の玄関口であり、富山市と立 山町を結ぶ芳見橋の上から望む千垣橋梁を走る電車や日 本最大級の貯砂量を誇る本宮砂防堰堤の景観を求めて、 連休時などには多くの鉄道愛好家や写真愛好家が訪れる 人気の撮影地となっており、新たな観光スポットとして地元 の活性化にもつながる可能性があるものと考えております。
この事業を進めるに当たっては芳見橋に隣接する丘を整備する必要がありますが、民有地が含まれていることや所有者が不明な看板があるなどの課題もあり、具体の撮影ポイントや地元との協力体制なども含め、今後、地域の方はもとより、富山地方鉄道や鉄道写真愛好家の方々の御意見も伺いながら検討してまいりたいと考えております。
泉 英之
今まで県と市の連携について確認してきましたが、例えば建設部のように自由闊達な議論をしている部局もあれば、親子関係のような、殊さら従順な部局も見られ、個人的には県都である富山市の意向が反映されるよう定期的に部局間同士の意見交換ができる環境づくりが必要だと感じております。