代表質問・一般質問

令和6年6月定例会

藤田 克樹ふじた かつき

質問日 令和6年6月10日(月)
区分 一般質問
一問一答
  • 本市のコメ農家について
  • シニアおでかけきっぷについて
  • 物流の2024年問題について

令和6年6月定例会 本会議 一般質問(藤田議員)

本市のコメ農家について

藤田 克樹

農地面積や農業従事者数の減少は本市の農業基盤を揺るがす深刻な問題です。特に中山間地域では、高齢化や世代交代の停滞が顕著であり、こうした地域の農業を支える施策が急務です。
本市の基幹作物であるコメの生産状況を把握することが、具体的な支援策を検討する第一歩だと考えています。昨年度の水稲作付面積について教えてください。

農林水産部長

本市における昨年度の水稲作付面積は、市全体で7922haです。主な地域ごとでは、富山地域が4184ha、婦中地域が1262ha、八尾地域が1127ha、大沢野地域が798ha、大山地域が402ha、山田地域が139ha、細入地域が10haとなっています。
富山地域が全体の半分以上を占める一方で、中山間地域では農地が狭小で分散しており、生産効率の向上が課題です。

藤田 克樹

昨年の豪雨災害や本年の能登半島地震によって、市内の農地に甚大な被害が出ました。これにより、農業従事者の復旧作業の負担が増大しています。
災害復旧は長期的な課題であり、防災・減災の視点を持った農業政策も必要です。今年の作付面積の減少見込みはどの程度でしょうか。

農林水産部長

豪雨災害では畦畔の崩壊や水田への土砂流入により、市内で合計10.3haの農地が被害を受け、作付面積が減少しました。
本年の能登半島地震では液状化現象によって和合地区で0.5haの農地が影響を受けています。これらの復旧には地域全体の協力が不可欠です。

藤田 克樹

中山間地域の兼業農家は農地の分散や地形的な制約から、生産コストの削減や効率化が難しい現状があります。さらに、高額な農機具の更新費用が農業継続を阻む大きな要因となっています。
50代の世代交代を果たした農家の方が「今年はなんとかコメ作りを続けるが、これ以上は厳しい」とおっしゃっていました。こうした方々を支えるためには、農機具のレンタルや資材の共同購入を推進し、コストを削減する取り組みが必要だと考えますが、見解を伺います。

農林水産部長

中山間地域の兼業農家では、地形や農地の分散により効率化が難しいという課題があります。農機具のシェアリングや資材の共同購入は、生産コストの削減と作業の効率化を図る有効な手段です。
本市としても、県や農協と連携し、相談があれば支援策を検討していきます。

藤田 克樹

本市の中山間地域は、昼夜の寒暖差が大きく、水が豊富なため、品質の高いコメを生産する条件が整っています。昨年の猛暑でもコシヒカリの一等米比率が高かったことがその証拠です。
また、特別栽培米や天日干し米は少量ながら高値で取引されており、新たな収益源としての可能性を秘めています。これをさらに発展させるためには、技術指導や販路開拓の支援が必要だと考えますが、見解を伺います。

農林水産部長

高付加価値米は、環境負荷の低減や収益性の向上を図る上で重要な取り組みです。ただし、これには除草作業や天日干し作業に多くの手間がかかるほか、販路の確保も課題となっています。
本市としては、要望に応じて技術指導や市場開拓について関係機関と協議を進めていきます。

藤田 克樹

地域農業の持続可能性を確保するためには、地域計画の策定が欠かせません。
この計画は地域全体での課題解決を目指すものですが、進捗状況について教えてください。

農林水産部長

地域計画では、人・農地プランに将来の耕作者を地図で示す「目標地図」を加えた形で進めています。昨年2月に農地利用意向調査を実施し、8月には計画策定協議会を設置しました。
今年度中に案をまとめ、令和7年3月末までに策定予定です。

シニアおでかけきっぷについて

藤田 克樹

次に、高齢者の外出を促進する「シニアおでかけきっぷ」について伺います。この施策は、高齢者の生活の質を向上させると同時に、地域活性化にも寄与すると考えます。
これまでの利用状況と具体的な取り組みについて教えてください。

活力都市創造部長

シニアおでかけきっぷは、社会実験を経て本格実施に移行し、延べ1万6000人以上が利用しています。
特典として、飲食店や商業施設40店舗で割引を受けられる「シニアおでかけトク割」を実施し、地域経済の活性化にも繋がっています。

藤田 克樹

公共交通の利用をさらに促進するためには、より効果的な周知活動が必要です。具体的な周知方法について教えてください。

活力都市創造部長

駅や協賛店でのチラシ配布、デジタルサイネージ、テレビ・ラジオでのPRに加え、今年度は交通安全教室や地域バス車内での周知活動も計画しています。

藤田 克樹

越中八尾駅では、跨線橋にエレベーターがなく、高齢者や障害者にとって移動が不便です。
おわらのシーズンには利用者が急増するため、早急なバリアフリー化が必要だと考えますが見解を伺います。

活力都市創造部長

エレベーター設置は、高齢者や障害者の利便性向上に寄与しますが、JR西日本の判断が必要です。本市としては引き続き要望を続けていきます。

物流の2024年問題について

藤田 克樹

JR高山本線は名古屋市と本市を結ぶ重要な路線で、貨客混載は物流効率の向上や環境負荷の軽減に寄与します。また、地域の農水産物を中京圏に届ける手段としても有望です。
特急「ひだ」を活用することで、効率的な輸送とCO2削減が期待できます。この取組みについて、現状の課題と可能性を教えてください。

環境部長

鉄道輸送のCO2排出量はトラックの約10分の1であり、環境負荷の低減に大きく貢献します。特に長距離輸送ではその優位性が高まるため、名古屋~富山間での貨客混載は効果的です。

藤田 克樹

この取り組みにより、本市の農水産物を中京圏へ効率的に届けることができ、生産者の収益向上や地域産品の認知度向上が期待されます。
名古屋駅周辺は消費市場として非常に大きく、この地域への販路開拓は大きな意義を持つと思いますが、見解を伺います。

商工労働部長

富山の農水産物は品質が高く、中京圏での認知度向上や販路拡大に可能性があります。
しかし、特急「ひだ」には荷物を積み込むスペースが限られていることや、冷蔵・冷凍設備が必要な場合の設備投資が課題です。また、積み下ろし作業の人員確保や採算性の確保も難しい面があります。

藤田 克樹

まずは少量輸送から試験的に始め、市場の反応を探るべきです。
例えば、クーラーボックスを活用した小規模な輸送や、名古屋駅での販売を試みることで、本市の食文化をPRする新たな手段となると考えますが、見解を伺います。

活力都市創造部長

貨客混載は、地域産品の付加価値向上や物流効率化に寄与する取り組みです。しかし、少量輸送では採算が取れないというJR西日本の見解があります。
本市としては、運行事業者との意見交換を進めるとともに、需要を見極めた具体的な輸送計画を検討していきます。

藤田 克樹

JR高山本線は地域経済の発展にとって重要な路線です。
貨客混載の可能性を追求し、物流と観光の連携を通じて、持続可能な地域づくりに繋げていただきたいと思います。