代表質問・一般質問

令和6年3月定例会

押田 大祐おしだ だいすけ

質問日 令和6年3月5日(火)
区分 一般質問
一問一答
  • 災害時における避難所開設について
  • 大型農地整備について

令和6年3月定例会 本会議 一般質問(押田議員)

災害時における避難所開設について

押田 大祐

元日に令和6年能登半島地震が発生し、直後に避難所に向かったが避難所が開いていなかった。市が指定する第1次避難所の鍵は誰が持っているのか、また、誰が避難所を開錠するのか。

防災危機管理部長

迅速な参集や土地カンを考慮し、速やかに、できる限り近隣の職員とすることを基本として班要員を指名している。市の避難所運営マニュアルでは、市指定避難所の開設は、地区センター班要員としており、施設の開錠も原則、市職員が行う。

押田 大祐

市内全79自治振興会を対象にしたアンケートの結果報告では、鍵の問題について25件の課題や改善提案があった。市は各避難所をどのぐらいの時間で開設すると想定しているのか。

防災危機管理部長

時間の設定はしていない。
地区センター班要員の選定は、地区センター所長及び近隣に居住する市職員を指名し、徒歩または自転車で概ね30分以内に参集できる職員とすることを指名する上での目安としている。

押田 大祐

市は班体制を組み、随時避難所の鍵を開けるが、今回の地震では、各避難所の開設、鍵を開けたのは実際には誰が行ったのか。

防災危機管理部長

避 難 所 9 5 か 所 を 開 設 し た 者 の 内 訳 は 、市 職 員 が 5 7 か 所 、教 職員が19か所、学校開放運営委員が7か所、市民が12か所。

押田 大祐

津波警報が発令している中、沿岸部での浸水想定区域の近辺の避難所に駆けつけるには危険が伴う。避難所開設を担当する職員の安全は確保されているのか。

防災危機管理部長

富山市職員防災ハンドブックでは、勤務時間外の場合における行動として、1つに「自分自身、家族、近隣住民の安全を最優先に行動する」2つに「災害情報の収集に努める」3つに「自分自身や周囲の安全確保を行った後」二次災害の防止に努めると規定している。

押田 大祐

28か所の備蓄庫から分配輸送をする方式を取っているが、道路の混雑によって輸送が遅れ、自治振興会を対象に行ったアンケート報告でも、市民から寒い、遅いとの苦情が相次いだ。高岡市では各避難所に備蓄品を配備している。
富山市では、各避難所に備蓄をしていなかった理由について問う。

防災危機管理部長

今回の地震では、一部の避難所からは配送が遅いといった声が上がったと聞いていることから、より効率的な配送方法について、協定締結事業者との連携も含めて検討したい。
全ての避難所に物資を備蓄することは、持続可能な防災対策として調査・研究していく。

押田 大祐

富山市は広い市だ。海、山、里、まちとあるため、災害時にはそれぞれの避難体制、防災対策が必要である。
沿岸部や平野部、中山間地における災害対策や避難所の在り方について住民の意見を広く取り入れてはどうか。

防災危機管理部長

今回の地震では、自動車を使用した避難や避難所を開設する職員よりも避難者が先に到着し、避難所に入るために窓ガラスを割るといった事態が発生するなど、市と地域住民との認識の違いやコミュニケーション不足があった。
このことから、自主防災組織の結成の促進はもとより、地域の特性に応じた災害対策や避難所の在り方について出前講座やタウンミーティングなどの場において双方向での意見交換を行いながら、地域防災力の一層の向上に取り組みたい。

大型農地整備について

押田 大祐

水橋地区の国営、県営の農地整備が着実に進んでいる。
水橋地区における国営、県営の農地整備について、これまでの実施状況と今後のスケジュールについて問う。

農林水産部長

国営農地再編整備事業は、約460haを中心に約612haの農地を、国が事業主体となり、整備を実施するもの。
令和3年度から事業着手され、現在、約30haの農地整備が進め、令和15年度の事業完了を目指している。県営農地整備事業は、約187haの農地を対象に、平成27年度の事業着手から令和5年度までの9年間で約158haの工事が進められており、現在、進捗率は約85%で、令和8年度の完成を予定。

押田 大祐

令和3年度に全国で初めて国営農地再編整備事業(次世代農業促進型)として採択され、高収益作物、農地の集積・集約、スマート農業の各柱がある。その中でもスマート農業の導入は日本の農業の今後を担う大きなテーマとして認識している。
どのようなスマート農業を想定しているのか。

農林水産部長

水橋地区のスマート農業は、農地の大区画化や情報通信環境が整備促進されることから、1つに「大区画農地や広い農道を遠隔操作で自動走行、作業するトラクターやコンバインなどのロボット農機」2つに「水田の水量を調整するために複数の取水口の操作を一括管理するICT水管理システム」3つに「空中からの病虫害診断を行い、ピンポイントで農薬散布を可能にする農業用ドローンなどの導入」を想定している。

押田 大祐

大規模農地でのスマート農業にも高規格の通信設備が必要だ 。
な け れ ば ス マ ート 農 業 用 のトラクタ ー や 田 植 機 、稲 刈 り 機 、ドローンなどは使えない。
今議会に提出された水橋地区におけるスマート農業に対応した情報通信環境の整備に向けた取組と、今後のスケジュールについて問う。

農林水産部長

スマート農業に適した情報通信環境を整備する。
スマート農業機器や通信方式の選定に関すること、GPSの精度向上を図る基地局に関すること、情報通信設備の運営、維持管理に関することなどの調査を行い、富山市水橋地区スマート農業情報通信環境整備計画を令和6年度までの2年間で策定する。令和7年度から令和9年度までの3年間で情報通信環境を整備していく。

押田 大祐

スマート農業をはじめとする新たな農業を進める上で、農業に取り組む担い手が重要と考える。
来年度、新規で取り組む未来の農業担い手育成プロジェクト事業とはどのような事業内容なのか。

農林水産部長

未来を担う子どもたちに実際に農業を体験してもらうことでスマート農業等の重要性を伝え、将来の農業の担い手確保につなげることを目指す。
具体的には、水橋地区の4小学校の5年生を対象に、1つに、水橋地区の農業の現状や高収益作物の導入意義についての講義、2つに、大区画化された農地の現場見学、3つに、スマート農機の実演見学、4つに、栽培実証圃場での収穫体験を行う。
来年度は水橋地区の小学校を対象としているが、将来的には市内全域の小学校に対象を拡大したい。

押田 大祐

富山市が将来、水橋地区で目指す農業とはどのようなものか。

農林水産部長

農地の大区画化・汎用化及び農地の利用集積に併せてスマート農業技術が導入されることから、農作業の省力化や効率化が図られ、その効果で創出された時間や余剰労働力を活用することでタマネギ、ニンジンなどの高収益作物への作付転換や一大産地化に取り組むことが可能となる。
さらには、1つ「農産物の6次産業化による収益性の向上」2つに「農産物等のブランド化と輸出等による販路の拡大」3つに「観光農園等による交流人口の増加」などにより地域全体の農業所得の向上を図り、農業振興を柱とした地域の活性化につながると考える。
これらの取組により水橋地区は先端技術を活用した農業を展開する次世代農業を行うモデル地区として生まれ変わり、成長産業として地域に根差した魅力ある稼げる農業の実現を目指したい。