代表質問・一般質問

令和6年3月定例会

泉 英之いずみ ひでゆき

質問日 令和6年3月6日(水)
区分 一般質問
一問一答
  • 中山間における小学校の存在意義について

令和6年3月定例会 本会議 一般質問(泉議員)

中山間における小学校の存在意義について

泉 英之

細入地域、山田地域、大山地域などの、市街地からは距離の遠い中山間地における小・中学校の存在意義に焦点を絞って質問します。
現在、富山県では、県立高校再編統合に向けた議論が活発化していますが、県教育委員会は、令和2年の再編時と同様、一方的な見地により、近隣市町村や地域住民の意見に歩み寄る姿勢がみじんも見られない感じを受けて、大きな危惧を感じています。
一例になりますが、立山町に校舎がある雄山高校に対して、前回の査定で普通科学級を1学級減らした上で、今回のターゲットを県の指針では、再編基準を1学年3学級未満の学校は優先して検討するとして決め打ちされており、まるで軒下を借りておいて家まで取ってしまうような、あからさまな手法と感じ、県教育委員会によるいじめではないかと思います。
もともと旧大山町には普通科高校は存在せず、立山山麓地域から一番近かったこの高校がなくなった場合には、1時間もの通学時間を費やして富山南高校か富山いずみ高校や富山高校まで、南富山まで通うことになり、ますます中山間の過疎化に拍車がかかると思われ、加えて、富山市の藤ノ木地区周辺からも多くの生徒が通っている現状を考えると、単に立山町の問題にとどまらず、富山市にも大きく関わる問題だと訴えるものです。
そこで、当局においては、県立高校再編統合に関して富山市民にも影響が及ぶことをきちんと訴え、立山町の舟橋町長の孤軍奮闘に対して援護射撃をすべきだと考えますが、見解を求めます。

教育長

県立高校を所管しているのは県教育委員会であり、市教育委員会としては県立高校の再編統合について見解を述べることは差し控えるが、市内の中学生が自らの将来に向けて必要な選択が可能な高校の配置になっていることが肝要であると考えており、今後の動向を注視しながら、必要に応じて各校に情報提供する。

泉 英之

富山テレビの朝の番組に出演された、県の成長戦略会議委員であり、地域振興や人口問題に詳しい藻谷浩介氏が、自身の長年の持論と断った上で、学校再編に対し、明治時代に最初に造られた公共施設は学校であり、学校と郵便局があれば地域は維持される、子どもに対する予算は減らしてはいけない、何も先生を必死になって減らすことはないだろう、何でも集中して大きいほうが適正規模だと言っていることは昭和以外の何物でもなく、そもそも適正規模・適正配置の考えそのものが適正なのか、加えて、少人数教育が受けられることはチャンスであるとの考えの上で、学校を減らすのは間違っている、地域にとって学校は最後まで残さないといけないと、短い時間でしたが堰を切ったように核心部分について提言されておられました。
これも一例ではありますが、旧大山町時代に既に廃止された牧小学校下の現在の居住年齢人口は、高齢者が限りなく100%に近い数字に達しており、年々空き家だけが増加する寂しい状況に陥っております。
そこで、中山間地域の学校廃止はそのまま限界集落を決定づける極めて重要な判断と考えますが、教育長の見解を求めます。

教育長

本市が進める学校再編は、行政のみで統合するか判断するものではなく、地域の学校の将来の在り方については地域で決めていただくことが肝要であるとの考えに基づき、市教育委員会が将来の児童・生徒数の推移や小規模校や大規模校のメリット・デメリットといった情報を提供しながら、地域の方や保護者の皆様が主体となって学校再編の方向性を決める地域協議会を設立し、検討していただく手順で進めている。

泉 英之

山を守ることはまちや海を守るという原理は、コンパクトシティ政策の旗の下、棚上げにされたままで、これまで中山間地域に対しては人口減少を理由に、小見地区だけでも私が議員になった直近7年間、瓶岩橋を筆頭に、らいちょうバレーゴンドラリフトを含めた立山山麓スキー場、大山観光協会、小見幼稚園、白樺ハイツ、大山歴史民俗資料館等と、いつもなくす前提からの提案をもって協議が開始され、費用対効果と予算不足を理由に、再建・維持に関する建設的な施策の実現には地域住民の過大なる時間と労力ばかりが費やされ、学校統廃合による里山崩壊の危機に対して、その責任すら教育長の肩に負わせようとしている。
したがって、中山間地域の学校統廃合は一般論から切り離し、教育委員会の判断はあくまで教育分野における1つの提案であるとの位置づけにおいて取りまとめを受けた後に、多面的な市長部局からの建設的な提案や施策を加えて再度協議し、最終的には極力、中山間地域の学校存続を基本とする中山間地域救済の方向に転換すべきと考えますが、藤井市長の見解を求めます。

藤井市長

私は、市政全体を統括する立場である。学校再編も当然にその責任の一端がある。学校再編の判断は地域が主体となって行われるということを承知している。学校再編の進捗状況は、常に教育委員会と情報交換を行って共有をしている。
その上で、これまで私はタウンミーティングや出前トーク、教育委員会主催のワークショップあるいはフォーラムに出席してきた。現在教育委員会で進められている学校再編に対して、地域の皆さんから今ほど議員が言われたような意見も多く伺っている。
例えば、地元から小・中学校がなくなると地域全体が疲弊し、歴史や文化が失われるといった声は何度も伺っている。また、学校再編の対象校がある地域の皆様方の御懸念は、直接意見交換する中で十分承知している。
一方で、子どもたちがより多くの子どもたちと切磋琢磨し、多様な価値観に触れ、力強く将来のこの地域を支える人材に育ってほしいであるだとか、子どもたちのために再編をもっと早く推進すべきだといった保護者の声があるのも事実。
いずれにしても、少子化・人口減少下において、この学校再編は第一義的には、本市の将来を担う子どもたちを育成するために本来の学校のあるべき姿をしっかりと見つめ、質の高い教育環境を提供するための重要な政策であることはもちろん、同時に、地域の方々が主体性を持って地域を見詰め直す絶好の機会である。
私は、将来を見据えた学校再編の議論の末には、新しい学校を核として次世代に向けた地域連携が始まり、住民の間に新たな一体感が生まれていくことを大いに期待するとともに、教育委員会だけでは対応ができないことについては、市長部局も積極的に一緒になって考えてまいりたい。小規模特認校も含めて、あるいは富山市内の企業等々の協力も含めて、我々市長部局、教育委員会だけでなく、全体にいろんな相談も、お知恵もお借りしながら進めたい。